第104回全国高校野球選手権大会の第7日(12日)の第2試合は愛工大名電(愛知)が八戸学院光星(青森)を延長の末、6―5と劇的サヨナラで下した。7回に4点差を追いつき、5―5で延長戦に突入。迎えた延長10回、5番・有馬(3年)の左中間を破る三塁打などで無死二、三塁のチャンスを作ると、7番・美濃(3年)がフルカウントから中前に運び、熱戦の幕が降りた。

 殊勲の美濃は「申告敬遠かな、と思ったけど、勝負してくれることに感謝して打席に入った。今までにないくらいリラックスできて今までにないくらいボールが見えた。打ったのは実力ではなくて、周りのみんなに感謝です」と興奮気味に話した。星稜(石川)との初戦の4安打6打点に続き、この日も2安打2打点。「あの場面で自分に回ってくること自体、奇跡。球種もコースも覚えていない。来た球を打った。あの甲子園でサヨナラを打ったのか…」と話した

 試合終盤から観客が増え始め、甲子園が満員に埋め尽くされた中での劇的な幕切れ。倉野監督も「甲子園は不思議な力が働く。すごい勢いを感じた。幾多の名勝負を見てきたけど、その渦の中にいるんだなと…。選手も大喜びで感動しながら試合を楽しんでいた。甲子園を満喫していた」と勝利の余韻に浸った。序盤は併殺などで流れをつかめなかったが「必ず流れは変わる。我慢しよう」と自ら選手の士気を上げ、終盤にめぐってきたチャンスを見事につかんだ。

「楽しくやろう」をテーマとし、序盤の劣勢をはね返すことができたのも「チームワークが試合を動かした」と見ている。次戦に向けても「思う存分暴れてほしい」と聖地を満喫してくれることを願った。