投打が噛み合い、完勝発進した。3年ぶり29回目出場の仙台育英(宮城)が第104回全国高校野球選手権大会(甲子園)第6日の11日、第1試合で鳥取商(鳥取)に10―0と快勝。初戦の2回戦で3年ぶりの白星を飾った。

 5回まで沈黙していた打線が6回から猛攻を仕掛けた。一死三塁から4番・斎藤(2年)が左前へ先制打。なおも一死一、二塁から遠藤(3年)が中前適時打を放ち、敵失も重なって2点を追加した。その後も森(3年)の右越え適時三塁打、古川(3年)はスクイズを成功させ、一挙5点を奪った。8回も先頭の主砲・斎藤を皮切りに8連打を浴びせ、積極走塁も功を奏し再び5点を加えてダメ押し。終わってみれば、16安打10得点で相手投手陣をねじ伏せた。

 投げては先発右腕の高橋(2年)が5回を1安打無失点。バトンをつないだ古川(3年)、仁田(2年)、斎藤(3年)の左腕3人も得点を与えず2安打完封リレーを完成させた。

 試合後の須江航監督(39)は「やっぱりこの世代は入学からコロナに非常に苦しんだ世代なので、今日はどんな展開になっても全員出したいなという思いがあった。それができて一番良かったかなと思う」とコメントし、中盤から一方的なゲーム展開の中でもベンチ入りメンバーの18人を全員起用した意図について説明した。

 そして「前半は私自身のミスがあって点が取れなかったが、よく選手が一人ひとりボールを見極めて打つべきボールを振ってくれた結果が良かったと思う。選手のおかげ」とも続けた。

 次戦の3回戦は大会10日目(15日)の第1試合で明秀日立(茨城)と対戦する。