第94回選抜高校野球第7日第3試合(25日)は国学院久我山(東京)が高知を6―3で下し、春夏通じて初の8強入りを決めた。

 試合巧者ぶりを発揮した。初回に4番の下川辺(3年)がセーフティースクイズを決めるなど2点を先制すると、5回には上田(3年)のスクイズなど、3者連続のバント攻撃を仕掛けて2点を追加。8回には松本慎(3年)と萩野(3年)の連続適時打でリードを広げた。投げては渡辺(3年)、松本慎の両左腕の継投で高知の追撃を絶った。

 意表をつく小技攻撃がハマった。尾崎監督は「相手は4番(下川辺)ということでヒッティングと警戒されていたでしょう。ウチは先制点をもぎ取りにいった。5回の上田もバントがうまい選手。背中を押してあげた。相手は逆にウチの打力を警戒されていたのかな。いいゲーム運びだった」としてやったり。下川辺には「決まらなかったら監督のせいにしろ」と送り出したという。

「攻撃的な野球な要素を持ちながら相手と駆け引きする。バントは1点を取りにいく全員野球の中で選手と選手をつなげる必須アイテムと思う」。
 
 初戦に好投した成田(3年)を温存しての快勝劇。昨秋に訪問指導のイチロー氏に教わった「頭を使う野球」を実戦して見せた。