第94回選抜高校野球大会(甲子園)第6日、1回戦最後のカードとなった第1試合は大阪桐蔭(大阪)が鳴門(徳島)を3―1で下した。

 昨年11月以降、対外試合のなかった鳴門が優勝候補を相手に善戦した。好ゲームを演出したのは、鳴門のエース左腕・富田遼弥投手(3年)。強打の大阪桐蔭打線に要所で内角を突き、一歩も引かなった。

 5回、味方の失策で無死二塁とピンチを背負った場面では後続を断って渾身のガッツポーズ。「野手も緊張して体が硬くなっているので、自分が抑えようと思った」。ギアを入れ替え、2番からの上位打線を空振り三振、三邪飛、空振り三振に斬って取る圧巻の投球。投手育成に定評のある森脇稔監督(60)が「闘志を内に秘めるタイプ」と語る左腕の真骨頂が出た場面だった。

 8回114球、3失点(自責2)完投でエースの矜持を示した富田は「優勝候補の大阪桐蔭にしっかり投げられたのは自信になる。夏につなげていきたい」と前を向いた。高校野球ファンにはおなじみの「ポーカーフェース」で鳴らしたOBのソフトバンク・板東湧梧投手(26)のたたずまいを彷彿とさせる〝鳴門の系譜〟を受け継ぐ富田。確かな「技量」と「度量」を見せて、春の聖地を後にした。