尻騒動が苦悩のユニコーンを救うきっかけになるかもしれない。地区シリーズを突破したドジャースの祝勝会でまさかの〝尻出し〟ハプニングが発生し、SNS上で話題沸騰中。その舞台裏をユーモアたっぷりに米メディアへ明かしたマックス・マンシー内野手(36)は打撃不振に苦しむ大谷翔平投手(32)を誰よりも理解しており、シャンパンファイトでも抱き寄せながら歓喜を分かち合った存在だ。3連覇を目指す王者で今、意外な大谷復活のキーパーソンとして急浮上している。

 騒動の舞台は7日(日本時間8日)に敵地アトランタでブレーブスを4―1で下し、地区シリーズを3勝1敗で突破した直後のクラブハウスだ。シャンパンが飛び交う中、着替え中とみられる選手の〝生尻〟がテレビ中継のカメラに映り込み、その動画がSNSで拡散。ファンの爆笑を誘う珍事となった。

 一体誰のお尻だったのか――。米紙「ニューヨーク・ポスト」は9日(同10日)、事情を深く知るマンシーが人気ポッドキャスト番組「ファウル・テリトリー」で内幕について語ったことをクローズアップした。

「誰だったかは言わない。知っているけど教えないよ」。マンシーは頑として〝犯人〟の名前を伏せる一方、同番組の司会を務める元MLB捕手のA・J・ピアジンスキー氏に「下にスライダー(アンダーショーツ)をはかず、尻が丸出しになるジョックストラップ(スポーツ用下着)だけってどうなんだ?」と逆質問。露出そのものより下着の組み合わせが気になったようで「一番不思議なのは、下にスライダーがないこと。話が脱線してごめんなさい」と笑いを誘った。

 実際に尻を出した選手の正体は依然不明。一部からは「何より、その〝犯人〟はマンシーだったのではないか」と指摘する声も飛び交っているが、もちろん何の確証もない。それでも突拍子もない話題を笑いに変えてしまうマンシーの陽気さは頼もしい限りだ。何しろ同じ祝勝会の場でマンシーは周囲も何となく気を使い、やや腫れ物に触るかのように接していた大谷を、ごく自然に力強く抱き寄せ、喜びを分かち合っていた。

 大谷は地区シリーズ4試合で13打数2安打、打率1割5分4厘、本塁打ゼロ。右上腕二頭筋や左膝の不安を抱え、打順も2番から5番、4番へと動いた。期待の大きさゆえに本人が感じる重圧も小さくないはずだ。それでも祝勝会のシャンパンファイトではマンシーと抱き合った後に満面の笑みを浮かべ、シャンパンを浴びながら「最高です」「何回やってもいい」と声を弾ませた。仲間と無邪気にはしゃぐ姿は、打席で苦悩をにじませていた表情とは対照的だった。

 大谷を支えるマンシーは、単なるお祭り男ではない。地区シリーズ第4戦でも9回に一発を放ち、ドジャースでのポストシーズン通算19本塁打は球団新記録。勝負どころで結果を残すベテランである。大谷への敬意も深く、3月には二刀流の投球を「言葉にするのが難しいほど特別」と称賛し、投手としてサイ・ヤング賞級の活躍を見せることにも期待を寄せていた。

 米スポーツ専門局「ESPN」の人気番組「スポーツセンター」でも9日(同10日)の放送で、アンカーからは「大谷の復調にはコンディションだけでなく精神面も絡み、周囲が発奮させることが重要」という趣旨の指摘が出た。もちろん祝勝会で笑顔を取り戻したからといって、打撃不振が即座に解消する保証はない。ただ、張り詰めた空気を解きほぐし、スーパースターに肩の力を抜かせる仲間の存在がプラスに働く余地はある。

 次なる相手はブルワーズ。11日(同12日)からのリーグ優勝決定シリーズで大谷が再び打線の主役に戻れるか。〝尻出し騒動〟を笑いのネタとしてチームのプラス材料に変え、苦境の大谷をも抱き締めたマンシーが、思わぬところから復活のスイッチを押しそうな予感が漂う。