ここからが本当の勝負と考えているか。日本ハムが10日に行われた西武とのCS初戦(ベルーナ)に延長戦の末、サヨナラ負けを喫した。

 初回に平沢の一発で先制されたものの5回に奈良間の2ランで逆転に成功。ただその後、五回に西川の適時打で追いつかれ最後は延長10回に相手助っ人・カナリオの一発に沈んだ。

 相手先発・平良に対してはチーム一丸で攻略に成功。序盤から球数を投げさせる策が功を奏し、剛腕右腕を5回105球で降板させるまでは完全に日本ハムのペースだった。そんな試合展開だっただけに日本ハム側から見れば後味が悪い負け方だと捉えられがちだが、試合後の新庄剛志監督(54)は「(平良に)球数を投げさせましたけどね、みんな(ボールを)見極めて。早いクイックの平良君から盗塁もしてくれて。いい試合でしたよ。作戦は成功しました」とニンマリ。短期決戦の大事な初戦を落としたとはいえ、指揮官に悲観する様子はなかった。

「3戦2勝先勝」のCSファーストステージ初戦を落としチームはいよいよ崖っぷち。本来なら焦りや動揺が見られても不思議ではない。にも関わらず指揮官がここまで冷静でいられる背景にはこの日の負けが剛腕相手の「想定内」だったことに加え自身の脳裏に「ある記憶」があるからに他ならない。それが2年前に本拠地(エスコン)で行われたロッテとのCSファーストステージでの巻き返しだ。

 この時のCSも初戦は相手先発・佐々木朗希(現ドジャース)の前に打線が沈黙。エース格の剛腕に完封され日本ハムは大事なCS初戦をあっさり落とした。だが、チームは翌日から気持ちを切り替え奮起。第2戦を延長戦の末のサヨナラ勝ちでもぎ取り、第3戦も逆転勝ちを収め見事ファイナル進出を果たした。ナインの多くはこの成功体験を経験済み。だからこそ指揮官もチームも「まだやれる」と踏んでいるのだろう。

 窮地に追い込まれれば追い込まれる程、日本ハムは底力を出せる空気がある。だからこそ新庄監督も最後にこう言い切った。「(2年前の)佐々木朗希君の時も(CS初戦は)負けましたしね。戦い方はみんな知っているから。明日は面白いゲームを見せたいな、と思います」

 劣勢をはね返し次なるステージへ。新庄監督もナインもその手応えをつかんでいるに違いない。