ソフトバンクの小久保裕紀監督(55)が8日、中日の新監督就任が決定的となった元ソフトバンク監督の工藤公康氏(63)の〝男の選択〟に舌を巻いた。

 鷹の指揮官はこの日が55歳の誕生日。本拠地で行われた全体練習後にチーム、報道陣から祝福を受け「(リーグ優勝した上で祝ってもらえるのは)これ以上ない幸せ」と笑顔を浮かべた。そんな日に耳に入った監督就任の報。小久保監督にとっては現役時代にダイエーで5年間、巨人で3年間、ホークスでは監督とヘッドコーチとしても歩みを重ねた先輩なだけに「55歳の誕生日は一生忘れないでしょうね」と胸に刻まれた様子だった。

 工藤氏といえば球界きっての「優勝請負人」として知られている。現役時代は黄金時代の西武のエースとして活躍。ダイエーや巨人でもチームを優勝に導き14度のリーグ優勝、11度の日本一を達成した。また、指揮官としての実績も超一流。2015年にホークスの監督に就任すると4年連続日本一を達成するなど、7年間でリーグ優勝3度、日本一5度。まさに異名にふさわしい「勝利の使者」だった。

 それだけに、今回の監督就任は勇気いる決断だったはずだ。中日は2年ぶりのリーグ最下位に沈み、6年連続のBクラス。クライマックスシリーズに至っては2012年を最後に、14年間も遠ざかっている。前年日本一のチームを引き継いだホークスの時とは違う。負けが込めば、これまで築き上げてきた栄光に傷がつく恐れさえある。そんな中でも引き受けた監督就任。小久保監督も工藤氏の決断には感心した様子だった。

「ここ(ホークス)でやられた実績を引っ提げて、今までユニホームを着たことのない球団に行くのはもうすごいチャレンジだと思う。すごいことだなと改めて思いますね」。史上3人目の「就任からリーグ3連覇」を果たした小久保監督。勝ちを積み重ねてきたからこそ分かる、新たな挑戦への胆力に敬意を示した。

「中日の選手たちを1年でも長く、1人でも多くトッププレーヤーに持っていくという『選手ファースト』の思いで引き受けられたんだろうな」と語った鷹将。来季は竜の結果がより目に留まることとなりそうだ。