快勝のスコアボードの裏で、火花は最後まで消えていなかった。24日(日本時間25日)にチェイス・フィールドで行われたカブス対ダイヤモンドバックス戦で、投球の〝サイン伝達〟を巡る疑惑がぼっ発。カブスが7―0で完勝した一戦は、両軍ベンチから怒号が飛び交う後味の悪い騒動を残した。
米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が25日(現地時間)に詳報した。発端は5回。ダイヤモンドバックスの先発メリル・ケリー投手(37)らが、カブスのクインティン・ベリー三塁コーチ(41)がケリーのチェンジアップを見抜き、打者へ伝えているのではないかと疑った。
ケリーは「サイン盗みは野球の歴史と同じくらい古い」とした上で、二塁走者や打者が投手のグラブの動きなどから球種を読むことは「正当」と認めた。一方で「チェンジアップを投げるたびに、彼が伝えているように感じた」とコーチによる伝達には不快感をあらわにした。
緊張が高まる中、ダイヤモンドバックスのロブロ監督はマウンドへ出てケリーに集中を促した。それでも騒動は収まらない。ケリーは6回二死から走者を許して降板すると、ダッグアウトへ戻りながらベリーとカブスベンチを鋭くにらみつけた。その後、コンフォートが2ランを放って点差が広がっても、両ベンチの応酬は続いた。
ロブロ監督は「われわれは相手の三塁コーチに怒鳴り、彼も怒鳴り返してきた」と認め、「4月なら面白くても、8月は面白くない。誰もが神経質になっている」と吐露。ポストシーズン争いが佳境へ向かう時期だけに、双方の神経がとがっていることを隠さなかった。
ただし、現時点でカブス側のルール違反が確認されたわけではない。MLBは今季から投球時の握りを見抜く行為への対策としてベースコーチの立ち位置を制限しているが、審判はベリーの違反を目撃していないという。ケリー自身も、この日28球を投げたチェンジアップで直接失った自責点は1点だけだった。
カブスのカウンセル監督は、こうした攻防を「リーグで毎日行われている駆け引き」と表現した。それでもカードはまだ2試合を残す。7―0の白黒はついても、この一件の白黒はまだついていない。












