第108回全国高校野球選手権大会の第5日(9日)第3試合は鳴門渦潮(徳島)が初出場の八王子実践(西東京)を延長タイブレークの末、2―1とサヨナラで下した。

 ナイター照明が点灯された今大会初の延長タイブレーク。1―1で迎えた10回二死、二、三塁から2番・山本(2年)が逆方向の左前に運び、熱戦に終止符を打った。

 160センチ、64キロの幼さの残る小兵の内野手。この日は安打が出ていなかったが、土壇場で冷静にストレートを三遊間に転がした。山本は「自分はヒットが出ていなかったけど、チームで勝とうという思いで打席に立った。たまたま詰まったのがいい所を抜けました。先輩から〝ありがとう〟と声を掛けられました」とあどけない表情を見せた。

 息詰まる投手戦だった。西村(3年)と塚原(3年)の両エースが投げ合い、両軍無失策で守り切った。勝利を目前にした9回に西村は代打・金子(3年)に痛打されて同点に追いつかれたが、延長10回の二死満塁のピンチを無失点で切り抜け、裏の攻撃につなげた。128球を投げて5安打、1失点、4四球。鋭く曲がるスライダーを武器に、連打を許さない力投が実を結んだ。

 森監督は「こんなゲームをできるとは思っていなかった。紙一重だと思う。西村が打たれるなら仕方ないくらい運命を共に、という感じだった。後半は流れは向こうにあった。地味なんですけど、アウトを堅実に取って行けばこういう戦いができるんやな、というウチの形ができたと思う。感無量。1つ目のハードルを越えたと思う」と、興奮を抑えきれない様子で喜びを口にした。