米国防総省は5月8日と22日、6月12日、7月10日、8月7日の5回にわたり、「UFOファイル」計375点を公開した。CIA、NASA、FBI、米軍、国防総省などが機密指定してきた文書や動画、画像、音声などを機密解除し公開したもので、今後も段階的に追加公開を続ける方針だ。
そんな中、米コロラド州の軍事基地上空に現れた全長約30メートルの黒い三角形UFOを捉えたとされる2本の機密動画が存在するものの、いまだ公開されていないことが分かった。米紙ニューヨーク・ポストが8日、報じた。
トランプ大統領は最近、UFOを含む未確認異常現象(UAP)に関する調査に協力する元政府職員や元請負業者について、過去に締結した秘密保持契約(NDA)の適用を免除するよう連邦政府機関に指示した。しかし、関係者によると、問題の映像は依然として機密扱いとなっている。
2本の動画は2023年、ある軍人が個人所有の携帯電話で2夜連続して撮影したものだという。内部告発者らが持つ証拠の中には、空軍によって機密指定されているため、現在も公に語ったり公開したりできないものがあり、この動画もその一つだという。
関係者によると、映像には謎の飛行物体が山々の上空を猛スピードで飛行し、さらに雲に紛れるように姿を隠す様子が捉えられているという。
動画はコロラド州にある米空軍特別捜査局(AFOSI)が保管しており、ファイル番号は「IRR1669S015524」と「IRR1669S005024」だとしている。
これまでUFO問題を内部告発してきた関係者は、トランプ氏の新たな指示が出ても「何も変わっていない」と指摘。内部告発者らによれば、最も重要な証拠はいまだ「機密指定の壁」の向こう側にあるという。
米空軍退役軍人で元民間請負業者のディラン・ボーランド氏は同紙に対し、「これは、これまでも名乗り出て証言できる立場にあった人たちにとっては、何の意味もありません。何も変わっていません」と語った。
ボーランド氏は2024年、議会で証言し、自身も巨大な三角形UFOを目撃したと明らかにしている。同氏によると、その物体はNASAの格納庫上空で数分間、まったく音を立てずにホバリング。その後、わずか数秒で民間旅客機が飛行する高度まで急上昇したという。
ボーランド氏は「委員会にも出たし、非公開の会合にも参加しました。ここまで来たら、公の場で宣誓証言するのでなければ、何の意味があるのでしょうか」と語った。
また、元防衛産業請負業者のマシュー・ブラウン氏は2026年初め、ポッドキャスト番組「ウェポナイズド」に出演し、全領域異常解決局(AARO)や国家情報長官室(ODNI)に非公開で伝えた内容の一部を公表した。
その中でブラウン氏は、国防総省には「イマキュレート・コンステレーション」と呼ばれる秘密プログラムが存在し、UFOを研究してデータを収集し、さらにUFOの回収まで行っていたと主張した。
ブラウン氏はトランプ氏の指示について、「率直に言って、何も新しいことはありません。内部告発者が公の場で自由に話せるようになるものではありません」と述べた。
ブラウン氏とボーランド氏はいずれも、AAROやODNIに内部告発した後、仕事上の報復や人格攻撃を受けたと主張している。
ボーランド氏によると、内部告発後、セキュリティー・クリアランス(機密情報取扱資格)をめぐる問題や職場での嫌がらせに直面し、キャリアにも深刻な影響が出たという。一方、ブラウン氏は、正規の内部告発手続きを踏んだ後に請負業者としての仕事を失い、さらに中傷を流されたとしている。
ただし、トランプ氏の対応を評価する内部告発者もいる。元米空軍情報将校でUFO内部告発者のデイビッド・グルシュ氏は同紙に対し、「トランプ大統領の行動を歓迎します。秘密保持契約があるため、自分たちが知っていることを議会や行政府に話すことができないと言ってきた人々に、勇気を与えることを願っています」と語った。
グルシュ氏は、自身がUAPを巡る秘密プログラムの隠蔽を訴えて監察総監に申し立て、その後、機密・公開の両方の場で宣誓証言したと説明。「そのために私は、個人的にも職業上も非常に大きな代償を払いました。他の人々が真実を語るために、同じような障壁や報復に直面する必要があってはなりません」と訴えた。












