広島は20日の巨人戦(東京ドーム)に1―3で逆転負けを喫し、今季84試合目にして自力優勝の可能性が消滅した。指揮官就任4年目の新井貴浩監督(49)の下、開幕3戦目の3月29日に貯金3をマークしたのを、ピークに4月11日から借金生活に突入。5月29日以降は2桁借金を抱える苦しい展開を強いられ、昨季以上の閉塞感が漂っている。

 初回にファビアンの12号ソロで先制したのを最後に、スコアボードには「0」だけが並んだ。7月下旬に突きつけられた厳しい現実に、新井監督は「一戦一戦大切に戦うだけです」と話すのにとどめて球場を後にした。

 球団として8年ぶりのリーグ優勝を目指した今季は、首位に立つ阪神と巨人とすでに11・5ゲーム差。今月28、29日に開催されるオールスター戦(東京ドーム、富山)を前に早くもV奪回が風前のともしびになろうとしている。

 新井政権の2年目以降、〝終戦〟のタイミングが年々早まっていることも気がかりだ。2024年は9月以降の大失速でV逸したが、昨季は今季と同じ7月20日に自力Vが消滅。試合数としては昨季の87試合目よりも3試合早まり、開幕直後から続く低迷に重い空気が漂ったままだ。

 そんな中で、球団関係者は「監督やコーチ陣も現実を痛感しているだろうけど、選手たちが『ああ、今年もダメか』と、残り試合を惰性でこなすだけになるのが一番よくない」と現場の〝熱量低下〟を危惧している。

 また、上位球団との〝差〟が現れたひと幕もあった。5日の阪神戦(甲子園)だ。試合では右翼手の野間の適時失策や緩慢な走塁などの凡ミスが敗戦につながり、新井監督は反省を促しつつ「自分も含めたコーチ陣の緩みもある」と自戒の言葉を並べた。

 一方の阪神側も進塁打やバントなどの小技のミスが多発。これを受けて翌6日の休養日を急きょ変更し、一部の主力を除く野手陣が指名練習となり、首脳陣も総出で課題の克服に当たった。異例の措置を取った上で巨人との首位攻防戦に備えたが、広島は同日を予定通り休養日とし、ヤクルトとの3連戦に入った。

 チーム関係者は「モチベーションの差といえば、それまでなのかもしれないけど、ウチより経験豊富な選手が多い阪神が休日返上して即座に課題に取り組み、ウチは具体的なアクションはなし…。それだと、どうやってこれから上位との差を埋めていくのかということは考えさせられる」。リーグ連覇へ突き進む阪神と自軍とのチーム力が、今後さらに拡大するのではないかとの懸念を示していた。

 借金14でCS圏内の3位も5差。このまま浮上のきっかけをつかめなければ、3年連続でBクラスに沈みかねない。負け癖がついた集団にならないよう、目に見える形で〝進歩〟を見せたい。