北中米W杯決勝トーナメント2回戦(7日=日本時間8日、米国・アトランタ)、アルゼンチンがエジプトに3―2で逆転勝利したが、エジプトのスーパーゴールが取り消されたことが波紋を広げている。

 1―0の後半13分にエジプトは、FWモハメド・サラー(リバプール)のスルーパスから左サイドのMFジコ(ピラミッズ)が抜け出す見事なカウンターでゴールを奪った。しかし、プレーをかなりさかのぼって反則があったとして、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)が介入した上で、最後はオンフィードレビューによりフランス人のフランソワ・ルテクシエ主審が得点を取り消した。

 オーストラリア放送局「7ニュース」は「エジプトのジコがFIFAによるW杯の『八百長』を非難、メッシ陰謀論が爆発的に広がる 統括団体の最新の動きは新たな騒動を引き起こし、ファンは『もはや隠そうともしていない』と主張している」と報じた。

 エジプト側の怒りは爆発しており、会見でジコは「審判は公平ではなかった。この大会が八百長だったのは明らかだ」とぶちまければ、ホッサム・ハッサン監督も「我々に起こったことは不公平だった」と不満をあらわにした。

 さらに物議を醸しているのが、準々決勝フランス―モロッコ戦(9日=日本時間10日、米国・ボストン)で割り当てられた審判だ。

 同局は「その後FIFAがボストンで行われるフランス対モロッコ戦で審判全員をアルゼンチン人選手にすることを決定したことで、ソーシャルメディア上で大騒ぎが巻き起こった。フランス戦の審判が発表されると、陰謀論はさらに過熱した」と報じた。

 この日アルゼンチン有利の判定を連発したルテクシエ主審はフランス人。そしてフランスの大一番に起用されるのは、アルゼンチン人審判団…。この割り当てを巡って、けんけんがくがくの議論が沸き起こっている。

 同局は寄せられているファンやサポーターの声を紹介。「ボストンの(審判)チームが全員アルゼンチン人で構成されていることに、ファンは驚愕している」「FIFAはもう隠してないよ アルゼンチンの審判全員、メッシもVARをチェックしに連れて行けばいいのに」「フランス戦の審判は全員アルゼンチン人。FIFAはまたしてもアルゼンチンのためにW杯を不正操作しようとしている」。さらに「アルゼンチンの国旗の写真を投稿し、それを新しいFIFAのロゴだと呼んだ人もいれば、FIFA会長のジャンニ・インファンティノがメッシを抱きしめている写真も投稿された」とも指摘する。つまり、FIFAはアルゼンチン推しで、フランスに不利な判定が起きるとの推測だ。

 一方で「インファンティノはモロッコを倒すために全力を尽くしており、そのためにアルゼンチンの審判団を派遣した。彼はカタール大会のように、アルゼンチンとフランスの決勝戦を望んでいる」との指摘も。逆に、今度はアルゼンチン審判がフランスを〝勝たせる〟との意見も続出している。

 マレーシアメディア「シナーデーリー」は「アルゼンチンの審判員がどちらの側に肩入れするという確証はないものの、FIFAはより国際色豊かな審判団を選任していれば、不必要な論争を避けることができたはずだとの批判もある」と指摘する。北中米W杯は審判が論争を呼ぶ大会になってしまっている。