【テキサス州ヒューストン30日(日本時間1日)発】日本代表MF田中碧(27=リーズ)が、1―2で敗れた北中米W杯決勝トーナメント1回戦ブラジル戦から一夜明けて胸中を吐露した。大一番で後半終了間際にボールを奪われ、32強敗退が決まる失点に直結。SNS上では〝戦犯〟などと批判の嵐となる事態に発展した。試合後はショックのあまり取材対応できず。この日は問題のプレーに対して自身の責任を語りつつも、4年後の次回W杯へ向けて強い覚悟を熱弁した。

 試合直後は泣き崩れ、取材エリアはチームスタッフに肩を抱えられて通過。大きなショックを受けた決戦から一夜明け、田中は「悔しいのと、申し訳ないなというのはずっとある。それは、これから先ずっと変わらないだろうなと思う。シンプルに自分の力が、まだまだ足りなかっただけだと思う。もっとやらなくちゃいけない」と心境を語った。

 痛恨の場面は1―1の後半アディショナルタイム。同33分から出場の田中は自陣の左ペナルティーエリア手前でボールを奪い、キープにいったところを逆に奪われ、最後はFWガブリエル・マルティネッリ(アーセナル)に勝ち越し点を許してしまった。

 そのシーンについては「1回もまだ映像を見ていない…1回くらい(見た)か。ちゃんと見ていないので、どうすればよかったかとかは詳細には言えないが、クリアすればよかったなとは思うし、(パスを)つなげればとも思う。でも誰のせいでもなく自分の責任ではある。それはサッカーである以上、自分で取り返さなきゃいけない」と振り返った。

 自身がボールを奪ってからのプレー選択だったこともあり、報道陣からはそこまで背負う必要がないのではとの問いもあったが、気持ちは変わらなかった。「あの時間帯で失点をしたのは自分としてはすごく責任を感じたし、今も感じている。プレー選択どうこうよりかは、あの時間でゴールにつながってしまった。もちろん入ってなければ、別にどうも思っていなかったかもしれないけど、やっぱりサッカーは結果論」と背負い込む。

 それもそのはず。試合後にはDF板倉滉(アヤックス)などから励ましの言葉を受けたが「いろいろな声を掛けてくれましたけど、そんなに頭に入ってきていなかった部分もあった。『自分のせいじゃない』って言ってもらえてうれしいわけでもない。自分がまだ足りなかった。すごく自分に腹が立つし、責任を感じたというだけ」と自身を責め続けた。

 ショックに追い打ちをかけるように、SNS上には心ない声も数多く上がっている。それでも、はい上がる覚悟だ。「今は4年後、ああだこうだと言う気持ちはない。本当に優勝できるようなチームの一人としての実力をつけられるかどうか。まずはそこに全力で向き合いたい。W杯でどうこうというより、世界の〝トップ・オブ・トップ〟と肩を並べられるような選手に、それに値するようなプレーヤーになれるように成長したい」

 懸命に前を向いたものの、あのシーンについては「もう見返さないと思う」とポツリ。ショックを抱えたまま再スタートを切るが「W杯で感じた悔しさは、W杯でしか晴らせない」と気持ちは折れない。過去は変えられなくても、未来は自らの力で切り開くことは可能だ。