インテリジェンス(情報収集・分析活動)の司令塔機能強化を目指す「国家情報会議」創設法が27日、参院本会議で賛成多数により可決、成立した。

 政府はスパイ防止法制定や対外情報機関創設に向けて加速する。ただしプライバシーなどの権利や国会がチェックする民主的統制に関する機能は盛り込まず、課題が残った。

 同法案をめぐっては自民党と日本維新の会、野党の国民民主党、公明党、参政党が賛成。立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組が反対した。

 インテリジェンス機能強化に意欲を示してきた高市早苗首相は、早ければ国家情報会議と事務局の「国家情報局」を7月にも設置したい考えで、スパイ防止法などに関する有識者会議が設けられるという。

 永田町関係者によると、高市首相は同法案成立を受けて報道陣の取材に対し「この法律は一昨年、昨年の自民党総裁選挙、2回にわたり、私自身の候補者としての公約なかで重視をしてきたものであります。今年の衆議院選挙(2月)で自民党の政権公約にも記載をしたものでございます。今般、各党、各会派の広いご理解をいただきまして成立にこぎつけることができました。関係したすべてのみなさまに感謝を申し上げます」と謝辞を述べた。

 同法案については「厳しい国際環境のなかで、わが国のインテリジェンスの基盤を整備する、そして情報力を高めることによって直面する困難な課題に的確に対応する、国民のみなさまの安全・安心を守る、そして国益を守る、こういったものです」と強調した。

 衆参国会審議のなかでは、野党側から「プライバシーの保護に問題はないのか」と不安の声が上がっていた。

「プライバシーに関するご懸念の声も示されました。けれども、本法律は行政機関相互の関係を律するもので(プライバシー侵害などの)リスクを高めるようなものではない」と高市首相は説明した。