泥沼のフィリーズに、ついに監督交代論が浮上した。23日(日本時間24日)も敵地シカゴのリグリー・フィールドで、カブスを相手に7―8で延長10回サヨナラ負け。これで9連敗となり、今季成績は8勝17敗。ナ・リーグ東地区最下位に沈み、首位ブレーブスとは9・5ゲーム差まで開いた。悪夢の10連敗が目前に迫る中、ロブ・トムソン監督(62)の立場は一気に危うくなっている。

 この日も反撃の形は作った。ブランドン・マーシュ外野手(28)が2本塁打を含む3安打と気を吐き、9回にはアドリス・ガルシア外野手(33)の代打本塁打で7―7に追いついた。それでも延長10回、タナー・バンクス投手(34)がスワンソンにサヨナラ打を浴びて力尽きた。先発クリストファー・サンチェス投手(29)も5回1/3を12安打6失点。粘りはあっても勝ち切れない現状が、低迷の深刻さを物語っている。

 ヤンキース専門メディア「ヤンクスゴーヤード」は24日(日本時間同日)、この惨状を受けてヤンキースの名一塁手として鳴らしたドン・マッティングリー・ベンチコーチ(65)が後任候補に浮上していると報じた。マッティングリー氏はドジャース、マーリンズで監督を歴任し、2020年にはナ・リーグ最優秀監督に選出。ヤンキースでは背番号23が永久欠番となった球界の重鎮で、今季からフィリーズのベンチに入っている。経験、求心力、修羅場の数。立て直し役としての条件はそろう。低迷する名門に喝を入れるには、これ以上ないカードにも見える。

 ただし、話は単純ではない。同メディアは、マッティングリー氏の息子プレストン・マッティングリーGM(38)が球団フロントにいる点を指摘。父が監督、息子がGMという構図は極めて扱いが難しい。デーブ・ドンブロウスキー編成本部長(69)が現時点で監督交代を検討していないとの見方もあり、候補に挙がっても本人がバトンを受け取るかは微妙だ。

 10連敗目前のフィリーズを救う切り札となるのか、それとも火中の栗を拾うにはあまりに危うい職なのか。いずれにせよ名門OBの名前が出た時点で、フィラデルフィアの危機はすでに臨界点に近づいている。