サッカー元日本代表MF中村俊輔氏(47)が、A代表のコーチに就任して大きな期待を集めている。昨季限りで横浜FCのコーチを退任すると、森保一監督が入閣を希望し、その熱い思いが通じて実現。元日本代表FW武田修宏氏(58=本紙評論家)が〝俊輔効果〟を解説し、指導者としてのステップアップにも期待した。

 J1横浜Mやスコットランド・プレミアリーグのセルティックなどで活躍した中村氏は現役時代、高精度の左足から繰り出されるFKを武器に数々の名シーンを演出してきた。セルティック時代の2006年には、欧州チャンピオンズリーグ(CL)のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)戦で決勝点となる伝説のFKを決めた。

 2022年の引退後に指導者へ転身し、25年2月に日本代表やJリーグの指揮を執れるプロライセンスを取得。日本サッカー協会(JFA)の山本昌邦技術委員長は「5年、10年先の代表チームを託せるような人材の有力候補の一人」と将来を見据えている。5月の活動から代表の指導にあたり、森保ジャパンが優勝を目標に掲げる北中米W杯(6月11日開幕)に同行する。

 中村氏のコーチ就任について、武田氏は「選手として実績のある俊輔がコーチとして入るのはやっぱり大きい。CL、W杯など大舞台を経験しているし、クラブより代表の方が生きるかもしれない。W杯期間中は長いし、ピッチ外でもコミュニケーションを取れる。彼のひと言が選手に大きな影響を与えることもあるんじゃないかな」とプラス材料を挙げた。

 もちろん、アドバイスだけで急にFKなどがうまくなるわけではないが、確固たる実績を持つ中村氏からの指導は、選手が何かに目覚める〝魔法の言葉〟になる可能性を秘めているわけだ。

 コーチとしてW杯を経験することは、中村氏個人にとっても貴重なものとなる。武田氏は「W杯で選手を教えることで指導者としての成長につながる」とした上で「コーチの次は監督としての姿を見てみたい。Jリーグのチームだったり、かつて彼がプレーしたイタリアのレッジーナやスコットランドのセルティックで指揮を執るのもいいんじゃないか」とエールを送った。

 特にセルティックの地元グラスゴーで中村氏は〝レジェンド〟となっているだけに、監督としての帰還は盛り上がるだろう。クラブレベルで実績を残した後、満を持して〝俊輔ジャパン〟誕生となるのか。