今季の由伸なら快挙達成も当然のことか。ロサンゼルス地元紙の「カリフォルニア・ポスト」が15日(現地時間)、ドジャースの山本由伸投手(27)について、今季中のノーヒットノーラン達成を〝宣言〟する異例の論調を展開し、大きな話題を呼んでいる。その根拠とは――。
山本は14日(日本時間15日)、本拠地ドジャースタジアムでのメッツ戦に先発し、勝ち星こそつかなかったものの7回2/3を4安打1失点のハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)、1四球7奪三振。チームを2―1の勝利に導き、今季4試合で2勝1敗、防御率2・10、25回2/3で21奪三振、3四球、WHIP0・82という上々の立ち上がりを見せている。
同紙のディラン・ヘルナンデス記者は記事で、いきなり「山本由伸は今年、ノーヒットノーランを達成するだろう」とぶち上げている。しかも、その根拠を感覚論だけで済ませていない。同記事ではデーブ・ロバーツ監督(53)が、この見立てに「驚きませんよ」「そう思います」と応じたことも紹介。山本の投球を日々追う現場の空気ごと、その〝予告〟に肉付けしている。
実際、今の山本にはそう言わせるだけの材料がそろっている。同日のメッツ戦では先頭のリンドアに初回先頭打者本塁打を浴びながら、そこから立て直して驚異の20者連続アウト。ロバーツ監督も試合後「今夜はまさに〝ビンテージ・ヤマモト〟だった」と絶賛した。ヘルナンデス氏が記事内でも取り上げたロバーツ監督の「110球、115球で9イニングを投げ切る効率性が必要だ。山本ならそれができる」という言葉は、単なるリップサービスではない。球威だけで押し切る投手ではなく、球種の幅、制球、試合の組み立てまで含めて〝9回を消せる投手〟として評価されている証拠だ。
しかも山本は、ノーヒットノーランを夢物語にしない実績をすでに持つ。オリックス時代には2022年6月18日の西武戦(ベルーナドーム)、23年9月9日のロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)で2年連続2度の無安打無得点試合を達成。ドジャースでも昨季はレギュラーシーズン30試合で12勝8敗、防御率2・49、173回2/3で201奪三振を記録し、サイ・ヤング賞投票3位に食い込み、ポストシーズンではワールドシリーズMVPまで射止めた。
しかも昨年9月6日の敵地オリオールズ戦では、9回二死まで無安打投球を続けながら、ホリデに被弾して快挙を逃した〝あと一歩〟の経験もある。MLBでのノーヒッターは、山本本人にはまだない。だが、その領域にまで到達した投手であることは証明済みだ。
1年目の24年も、故障離脱がありながら18試合で7勝2敗、防御率3・00、90回で105奪三振。土台はすでにできていた。なお、日本人メジャーリーガーによるMLBでのノーヒットノーランは通算3度で、野茂英雄が2度、岩隈久志が一度だけ。山本がここに名を連ねれば、日本球界から海を渡った剛腕たちの系譜に新たな1ページを加えることになる。
ちなみに山本はこの日の試合後「感覚が毎週良くなっている」「今年一番良い感触だった」と手応えを口にしている。春先でこの完成度なら夏場に向けてさらにギアが上がった時、地元紙記者の〝宣言〟は現実のものとなりそうな予感が漂う。そう思わせるだけの説得力が、今の山本の投球には込められている。












