2019年にドジャースでナ・リーグMVPに輝いた男は、その後の暗転をどう受け止めてきたのか。米経済誌「フォーブス」がクローズアップしたのは、ヤンキースのコディ・ベリンジャー外野手(30)が自らの浮き沈みを率直に振り返った点だった。ベリンジャーは「世界最高の選手だったこともあれば、文字通り最悪の選手だったこともある」と語り、苦しかった時期を経たからこそ「自分自身について多くを学び、誰が本当に味方なのかも分かった」と明言。さらに、その失敗の数年間に「感謝している」とまで言い切っている。
ドジャースで47本塁打を放ってMVPに輝いた7年前のインパクトが大きかっただけに、その後の低迷はなおさら際立って映った。実際、ベリンジャーの失速は「小さな不振」ではなかった。21年は肋骨骨折、腓骨骨折、肩の脱臼で長期離脱を強いられ、翌22年も144試合で打率2割1分、19本塁打と本来の姿を取り戻せずドジャースはオフにノンテンダーを決断した。だが、そこからカブスで立て直し、23年には打率3割7厘でナ・リーグのカムバック賞を受けた。頂点から転げ落ち、その後にもう一度はい上がった経験があるからこそ今の言葉に現実味を与えている。
ベリンジャーは7日(日本時間8日)、ヤンキー・スタジアムでのアスレチックス戦に「3番・左翼」で先発出場し、4打数1安打1得点。ヤンキースは1―3で追う8回、ベリンジャーの右前打を足場に反撃を始め、ベン・ライス内野手(27)、ジャンカルロ・スタントン指名打者(36)の連打で1点差に迫ると、最後はアメド・ロサリオ内野手(30)の勝ち越し3ランで5―3と逆転した。
7日終了時点のベリンジャーは10試合で打率2割6分5厘、1本塁打、3打点、9得点、OPS.850。派手な爆発ではなくても、出塁と得点、そして複数ポジションをこなす柔軟性で打線に厚みを加えている。ドジャースでMVPも転落も味わった男が、現在はヤンキースで〝常勝軍団の復活ロード〟を静かに支えている。












