フィギュアスケート世界選手権(チェコ・プラハ)男子はイリア・マリニン(21=米国)が驚異的な高得点で3連覇を果たしたが、実は銀メダルの鍵山優真(22=オリエンタルバイオ・中京大)が勝っていた可能性があるとロシアの金メダリストが主張した。
マリニンはクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)など高難度ジャンプを次々と決めて世界歴代3位となる合計329・40点で優勝。一方、鍵山はショートプログラム(SP)6位と出遅れながらフリーで爆発的な演技を見せ、全ての高難度ジャンプを完璧に決めてフリー自己ベストとなる212・87点をマークし、合計306・67点で銀メダルとなった。
それでも鍵山とマリニンの点差は大きかったが、かつてのロシア女王エリザベータ・トゥクタミシェワが採点結果ほどの差はなかったと持論を展開している。そしてさらに、1つの不運さえなければ逆転すらあったとの主張が飛び出した。
ロシアメディア「チャンピオナット」は、飛び込み五輪金メダルで著名ジャーナリストのエレナ・バイツェホフスカヤ氏の見解を報道。「彼女は、ショートプログラムで鍵山優真が1つの要素を成功させていれば、マリニンは銀メダルにとどまっていた可能性があったと指摘した」と伝えた。
「マリニン選手を心から祝福します」とバイツェホフスカヤ氏は王者をたたえた上で、こう力説した。
「しかし、いくつかの考えが浮かんでくる。もし鍵山優真がショートプログラムで、他の選手の(エッジの)跡を踏んでしまい、要素を1つ失うことがなければ、マリニンは2位にとどまっていたかもしれない。フリープログラムでイリアが、想像を絶するほどの力をかけて滑っていたことを考えればなおさらだ」
鍵山はSPで大きく出遅れたが、トリプルアクセル(3回転半)で転倒したことが大きく響いた。それまで流れは良かっただけに突然のミスだったが、原因は氷上にできた溝に足を取られたことだったと鍵山は振り返っている。最後から2番目の滑走順で氷上に他の選手が滑ってできた多くの跡があり、そこにスケートの刃がちょうどはまる不運だった。
バイツェホフスカヤ氏は、マリニンの演技は実際の採点ほど高得点には値しないとした上で、鍵山にSPの不運がなく順調に高得点を出していれば自身の得点をさらに伸ばし、加えてマリニンにもプレッシャーをかけることができた点なども加味して十分に逆転可能だったとみているのだ。
マリニンの点数について「第三者の私の目から見れば、演技構成点で10点満点をつけることなどあり得ない。ましてや、あれほどの点数で」と高すぎると強調しており、なおさら鍵山が勝っていたとの思いが強いようだ。
鍵山が大舞台で打倒マリニンを果たす日は近そうだ。













