ドジャースは27日(同28日)、本拠地ドジャー・スタジアムで2025年のワールドシリーズ優勝リング贈呈式を行った。試合前のセレモニーで初めて披露されるとあって、クラブハウスには静かな高揚感が漂っていた。

 実は勝者にしか分からない悩みがある。受け取ったリングをどの指に収めるか。優勝直後の11月、選手たちはリングのサイズを申告する。1つだけならまだしも2年連続だ。ドジャースは20年にも優勝しているため、3つ目のリングとなる選手も少なくない。

「今年も右の薬指にしたよ」と語ったのはマックス・マンシー。20年の初リングでは結婚指輪と同じサイズを頼んだものの、右手の方が太く、小指にしか入らなかった苦い経験がある。昨年はしっかり測り直し、念願の右手薬指へ。中指にすれば3つ並ぶが「リングは努力や献身、汗の象徴。身につけるものじゃないんだ」とその考えを否定した。

 デーブ・ロバーツ監督も3つすべて右手薬指サイズにしたという。「そもそも3つ一緒につけるつもりがなかったからね」と多くの選手と同様、リングは身につけることなく、普段は家の安全な場所にひっそりと保管しているという。高価すぎて気軽に展示できないのが実情だ。「来客があった時にたまに見せるくらいかな。確かに、何でつけないんだろうね。大きいからかな。3つあるから1つくらいどこかにつける機会を探してもいいかもしれない」と考えていた。

 同じく2つ目も右手薬指にしたというテオスカー・ヘルナンデスは着用こそしないが、展示ケースに収めている。「小さいけど、大きなトロフィーのような意味があるよ」。ただし、その場所はフロリダの自宅。シーズン中は眺めることがない。

 そんな中、ベン・カスペリアスが、ロッカールームでうれしそうに「去年のも持ってきているよ。見るかい?」と、ずっしりと重みのあるリングを気前よく差し出した。普段はコネチカット州の実家で大切に保管しているが、この日のために両親に持ってきてもらったという。「自分でも見るのはまだ3回目なんだ」。新しいリングとともに、記念写真に収めることを楽しみにしていた。

 この日のために過去のリングを持参してきた選手は他にも数人いた。ブレーク・トライネンは右手の薬指、中指ときて今回は人さし指へ。キケ・ヘルナンデスも「僕が3度優勝したことをみんな知ってるから、それだけで十分。わざわざ見せることない」と言っていたが、贈呈式ではちゃっかりと右手の薬指から人さし指まで豪華絢爛な指輪で埋まっていた。

 着用しない理由のほとんどが「大きすぎるから」。さらに昨今のロサンゼルスで増加する強盗被害もあり「安全な場所に保管」という考え方が浸透したようだが、ミゲル・ロハスだけは違った。

「ディナーやちょっとしたパーティーでつけていくようにしているよ」。2つ目となるリングは右手の人さし指へ。指輪同士がぶつからないよう、あえて1つ目の薬指から指を1本空けて注文したという。

 初めてのリングとなる若手のジャック・ドライヤーは少しロマンチックだ。「両手の薬指が同じサイズだから、今は左手に。結婚したら右に移すつもり」。昨年11月、優勝後に交際中の彼女と婚約を発表している。

 そして気になる日本選手たち。昨年、初のリングを左手人さし指につけていた大谷翔平投手(31)は2つ目のリングを右手中指に着用した。昨年は登板準備で贈呈式に参加できなかった山本由伸投手(27)は、優勝の立役者としてセレモニーの大トリで登場。観客からの大声援に笑顔を見せながら左手の中指につけて記念撮影した。

 さて、昨年が優勝初経験となった佐々木朗希投手(24)はというと――。贈呈式の前日に聞くと「10本のどこかにつけます」「左手は結婚指輪があるので」とヒントを残していたが、この日、右手の薬指に輝く指輪を見せながらうれしそうにポーズをとっていた。保管方法などはまだ考えていないとのことだったが、指輪に保険をかけたり、価値に応じた税金を払ったり、栄光の裏側で、優勝選手の悩みは尽きない。