レッドソックス勢の第6回WBCでの暴れっぷりに、首脳陣が〝困惑〟しているようだ。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、アレックス・コーラ監督(50)が吉田正尚外野手(32)ら所属選手の大会での活躍を手放しでは喜べない内情を報じた。

 コーラ監督が警戒しているのは、熱狂の余韻がレギュラーシーズン開幕後の〝反動〟に変わること。今大会は確かに「ボストン色」が強かった。日本代表・侍ジャパンの吉田、メキシコ代表のジャレン・デュラン外野手(29)、ベネズエラ代表のウィルヤー・アブレイユ外野手(26)、米国の超有望株ロマン・アンソニー外野手(21)、さらにグレッグ・ワイサート投手(31)まで各国で存在感を示した。その上で前出の「ON SI」は、レッドソックスが今大会の〝主役級〟だったと強調している。

 だが、コーラ監督の視線はその先にある。米有力紙「ニューヨークタイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のジェン・マカフリー記者を通じて「気の緩みには注意しないといけない。ここでもその兆候はある」と語った。

WBC組の活躍に困惑?のレッドソックス・コーラ監督(中=ロイター)
WBC組の活躍に困惑?のレッドソックス・コーラ監督(中=ロイター)

 3日(日本時間4日)に行われたレッドソックス対プエルトリコ代表とのWBCエキシビション戦(ジェットブルー・パーク)では球場が熱狂とともに大きく沸騰した一方で、「その後のオープン戦は明らかに空気が一変した」とも説明。選手たちに必要なのは、WBCの高揚感を引きずることではなく、十分な実戦感覚と休養を確保したうえで開幕に照準を合わせることだと訴えた。

 実際、ボストンは調整面でも難しさを抱える。新加入のレンジャー・スアレス投手(30)とウィルソン・コントレラス内野手(33)は優勝したベネズエラ代表の一員として長期間、チームを離れていた。特にコントレラスは大会7試合で13打席と実戦量が限られた。3月の国際大会で脚光を浴びた選手たちが、162試合の長丁場に向けてどうギアを入れ直すのか。

 吉田らの躍動はボストンにとって誇りである一方、ア・リーグ東地区の過酷な消耗戦を勝ち抜くための〝反動管理〟という新たな宿題も突きつけている。春の主役が、そのままレギュラーシーズンの本番でもスポットライトを浴びるとは限らない。