F1アストンマーティンのランス・ストロールが、リタイアした中国グランプリ(GP)後の〝塩対応〟が騒動となり、現場で事実上の指揮を執るチーフトラックサイドオフィサーのマイク・クラック氏が報道陣に異例のお願いを行った。
アストンマーティンは開幕からトラブル続きで、エイドリアン・ニューウェイ代表がホンダ批判を行うなどチームは危機的状況にある。中国GPでもストロールとフェルナンド・アロンソはそろって不調だったが、GP中に〝事件〟は起きた。英メディア「プラネットF1」が、その一部始終を伝えている。
「マイク・クラックは、ランス・ストロールの〝わずか8語〟のインタビューを受けて、メディアに対しアストンマーティンのドライバーたちへの批判を控えるよう求めた」と報じている。
ストロールは公式セッション後に定められている取材対応の際に、報道陣の前に現れたが、そこでイライラを募らせたのか塩対応を見せた。
「アストンマーティンはオーストラリア以降、何か進歩を遂げたか」と問われると「ノー」と返答。続いて「上海で周回数を増やしたことで気分が良くなったか」と問われるも、またもや「ノー」。「グランプリで進歩できると期待していたか」との質問にも「ノー」。そして「何か良い点はあるのか」との問いに「今のところ特にない」。ここでさっさと取材を切り上げてしまったのだ。
あまりの態度の悪さに一部の報道陣がアストンマーティンに対して抗議を行ったようで、翌日にクラック氏は「昨日、ランスがあまり多くの質問に答えていないという苦情を聞いた」と報道陣への対応で切り出した。
すると「これは以前にも言ったが、もう一度繰り返す。そして、これは皆さんへの一種の〝お願い〟でもあると思っている」と語り出し、こう続けた。
「ドライバーたちはどうすることもできないんだ。ドライバーたちはものすごく注目を浴びている。そして、質問攻めにあう。物議を醸すような質問も受けるんだ」と困難な状況では取材対応が苦しいこともあると強調。「この状況を理解する必要がある。これはスポーツの競技であり、感情的なものだ。われわれは皆、その感情のためにプレーしているのだから、後方で争うようなことはしたくない」と訴えかける。
さらに「彼らはこのことに多大なエネルギーを注いでいる。時には不適切な質問を受けることもある。確かに彼らはプロのアスリートだが、同時に人間でもあるのです」と説明する。そして、こう懇願した。「だから、どうか私たちを助けてください。今は大変な状況だが、ドライバーたちのことを少しでも考慮することができれば、私たちの製品にとって必ずプラスになると思う」。ドライバーが答えづらい質問はしないでほしいと異例の呼びかけを行ったのだ。
アストンマーティンを巡る喧噪は、次戦の日本GP(決勝29日)でも続くのだろうか。












