WBC米国代表は17日(日本時間18日)にマイアミのローンデポ・パークでベネズエラとの決勝戦に臨む。勝てば2017年の第4回大会以来、2度目の優勝となるが、不透明決着となった準決勝の幕切れを巡り、ウィル・スミス捕手(30=ドジャース)の捕球技術の高さが注目されている。

 前日15日(同16日)に行われたドミニカ共和国戦で米国は2―1で逃げ切り勝ち。MLBのトップ選手が勢ぞろいし、事実上の決勝戦ともいわれた一戦は意外にもロースコアで幕を閉じた。そして物議を醸したのは米国ナインに歓喜の輪が広がった最後の1球。ミラー(パドレス)が投じたスライダーはデータ解析でも明らかに低めに外れたボール球だったが、球審の判定は「ストライク」で見逃し三振で試合終了となった。

 当然、自信をもって見逃した打者のペルドモ(ダイヤモンドバックス)をはじめ、ドミニカ共和国のナインはエキサイト。大注目された一戦が〝誤審〟で幕引きとなる事態に、メジャーのレジェンドOBであるデレク・ジーター氏も「ああいう形で試合が終わるのは見たくないよ」とこぼしたほどだった。

 しかし、現状では自動でストライクやボールを判定するシステム「ABS」は導入されておらず、球審の判定は絶対だ。米メディア「ドジャース・ビート」は16日(同17日)、「当然のことながらドミニカ共和国のファンは激怒し『八百長だ』という声が飛び交った。実際のところ、誰もあのような形で試合に勝ちたいとは思わないだろう。ましてやWBCの準決勝という重要な一戦であればなおさらだ」とまずはファン心理に理解を示した。

 その上で球審に「ストライク」と言わしめたスミスにフォーカスし「称賛すべきところは称賛するべきだろう。最後のストライクを奪ったあのフレーミングは実に素晴らしいものだった」と賛辞を送った。

 フレーミングとは、捕球のタイミングでミットを動かすなどして、ボール球をストライクに見せかける捕手が持つ技術の一つ。今回の球審の判定にどれだけの影響を与えたかは不明だが、スミスは低めの球をストライクゾーン内にすくい上げるように捕球していた。

 MLBでは今季開幕からABSが導入され、ストライクとボールの判定に対して試合開始時に2度のチャレンジ権が与えられる。今後は今回のようなケースは減るとみられ、同メディアは「これが我々が目にする最後の重要なピッチ・フレーミングになるかもしれない」と伝えている。