ロシアフィギュアスケート界の〝皇帝〟エフゲニー・プルシェンコ氏と、五輪メダリストを多数輩出した〝鉄の女〟エテリ・トゥトベリーゼ氏の間でバトルが勃発した。

 事の発端は、ロシア国内で有望視されているニキータとソフィアのサルノフスキー兄妹が、現在は指導者として評価を高めているプルシェンコ氏のチームから突如トゥトベリーゼ氏のチームに電撃移籍することが10日に発表されたことだ。

 フィギュアスケート選手がチームを移籍することは決して珍しいことではないが、この2人に関してはプルシェンコ氏が特にお気に入りで、トゥトベリーゼ氏側から移籍に関する打診などもなく筋を通していないとしてルール違反の引き抜きとして騒動になっている。

 プルシェンコ氏の妻ヤナ・ルドコフスカヤ氏はロシアメディア「スポーツエクスプレス」で「移籍は長くは続かないだろう。このニュースによって(プルシェンコ氏が力を入れていた)ジャンプ要素の計画が中断されたことで後味が悪くなった」と批判。重鎮タチアナ・タラソワもロシア放送局「マッチTV」で「彼らはコーチからコーチへと渡り歩いている。(プルシェンコ氏のもとで)彼らは成功していなかったわけではない。彼らは成功していた」と問題視するなど波紋が広がっていた。

 そしてロシアメディア「チャンピオナット」はプルシェンコ氏本人の様子を報道。「エフゲニーはニキータとソフィア・サルノフスキーを失ったことへの憤りを隠そうともしない。オリンピック2連覇のチャンピオンは激怒している!」と伝えた。

 プルシェンコ氏はトゥトベリーゼ氏による引き抜き騒動について「彼らが逃げ出したのは残念だ。(次回五輪の)2030年まで一緒に歩む、興味深い数年間の旅になったかもしれないのに…。正直言って、より良いものを求めてチームからチームへと駆け回る姿は笑えるがね。まあ、それが(五輪直前の)29年ではなく今起こって本当に良かったよ。29年だったら本当に残念だっただろう」と怒りをあらわに語った。

 プルシェンコ氏サイドは、トゥトベリーゼ氏が以前から有望な幼少期の選手たちを強引に引き抜いて結果を出してきたと主張。ロシアフィギュアスケート界が誇る2大巨頭の間で勃発した騒動は泥沼化しそうな気配だ。