4億ドル(約600億円)超えの将来契約という「究極の守り」を投げ捨て、WBC米国代表が求めたのは日本に奪われた「世界一」の称号だった。米全国紙「USA TODAY」の看板記者ボブ・ナイチンゲール氏による最新リポートが今、全米の野球ファンの間でリベンジムードをあおる熱狂を呼び起こしている。
2026年の第6回WBC開幕を目前に控え、アリゾナに集結したチームUSA(米国代表)が抱く「打倒・日本」への執念が、かつてないほど鮮明に浮き彫りになったからだ。23年大会の決勝戦で主将マイク・トラウト外野手(34=エンゼルス)が大谷翔平(31=当時エンゼルス、現ドジャース)に三振を喫して連覇を逃したあの屈辱を、野球の母国はいっときも忘れてはいない。
アリゾナ州スコッツデールで始動した今回のチームは、アーロン・ジャッジ外野手(33=ヤンキース)、ブライス・ハーパー内野手(33=フィリーズ)、そして今大会を最後にユニホームを脱ぐクレイトン・カーショー投手(37=前ドジャース)といった将来の殿堂入りが確実視される重鎮たちが顔をそろえ、文字通りWBC史上最強の布陣と目されている。かつてはスター選手の招集に苦労した米国だが、今回は主力級が自ら参戦を志願する異例の事態となっている。
その熱量を象徴するのが、2年連続サイ・ヤング賞に輝くタリック・スクバル投手(29=タイガース)の決断だ。今季終了後にFAとなり、4億ドル超えの歴史的契約が予想されていることから本来なら負傷リスクを避け、参加を辞退しても誰からも責められない立場にある。しかし、スクバルはあえて参戦を選んだ。巨額の「経済的合理性」を凌駕するほどの純粋な競争心こそが、現在の米国代表を突き動かす原動力となっている。
主将のジャッジは「今こそ、これまでの筋書きを変える番だ」と宣言した。日本に奪われた頂点の座を奪還すべく、ベテランの経験と若手の勢いが完璧に融合した「ドリームチーム」は、1次ラウンドB組が行われる決戦の地・テキサス州ヒューストンのダイキン・パークへと乗り込む。初戦は6日(日本時間7日)のブラジル戦。全米が固唾をのんで見守る中、屈辱を晴らすための〝リベンジ〟がついに幕を開ける。












