韓国の切り札が、オープン戦で一足先に火花を散らした。ドジャースのキム・ヘソン(金慧成)内野手(26)が25日(日本時間26日)、ダイヤモンドバックスとのオープン戦で3打数2安打1打点、2盗塁。打率を5割(10打数5安打)まで引き上げ、第6回WBCへ向け「走攻守の完成度」を一気に示した。そんなキム・ヘソンの躍動ぶりについて、韓国メディア「OSEN」も詳細に伝えている。

 アピールすべき勝負どころで〝らしさ〟が出た。ドジャースが追う展開で迎えた5回無死一、二塁。キム・ヘソンは同点打で試合を振り出しに戻し、さらに二盗で相手バッテリーの神経を削った。初回から四球で出塁し即座に次の塁を奪う積極果敢な場面も見られ、打つだけでなく「得点の作り方」を体現した。

 守備でも存在感は濃い。初回無死一、二塁でのヒットエンドランをカットし、危機の芽を摘んだ上、フェンス際の強烈なライナーを鮮やかに捕球。前出のOSENが「素晴らしい守備」と指摘したのは、単なる賛辞ではなく「WBC仕様」の確認作業だ。

 視線は当然、WBC1次ラウンドC組の会場となる東京ドームへ向かう。キム・ヘソンは26日(同27日)のホワイトソックス戦に出場後に日本へ渡り、韓国代表に合流予定。食事の話題では報道陣とのやり取りで「油そばが好き」と笑いを誘ったという。

 軽妙なトークの裏側に秘められているのは、短期決戦で必要な平常心だろう。WBC同組の日本に直近11試合で10敗1分けと苦しめられ続けている韓国が上振れする条件は、結局ここに尽きる。派手な一発よりも出塁と機動力で1点をもぎ取り、守備で失点を消す。その反復しかない。

 最大の焦点は無論、3月7日の対日本戦だ。侍ジャパンには同じドジャースの大谷翔平投手(31)が控え、現時点では台湾戦(3月6日)先発が濃厚とみられているものの仮に韓国戦で登板するならば山本由伸投手(27)とも向き合う可能性がある。

 キム・ヘソン自身も「山本は最高の投手の一人」「由伸は最強」と敬意を示しながら「有利なカウントは与えたくない」と踏み込んだ。チームメートだからこそ分かる怖さと、分かっているからこそ試したい矛盾がにじむ。

 持ち前の総合力で東京ドームの空気を変え、ドジャースの同僚たちを相手に2015年11月19日の「第1回プレミア12」準決勝以来となる「日本戦勝利」をもぎ取ることができるか。