新ヒロイン候補が大舞台で躍動だ。ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)が17日(日本時間18日)に行われ、中井亜美(TOKIOインカラミ)は自己ベストの78・71点で首位発進を決めた。ジュニア時代に2季振り付けに携わった五輪2大会連続出場の鈴木明子さん(40)が、右肩上がりに進化する17歳の〝変化〟を明かした。
大舞台で憧れの浅田真央と同じトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めた。冒頭でいきなり大技を着氷させると、ノーミスの演技で渾身のガッツポーズ。トリプルアクセルの成功は日本女子4人目で、17歳は史上最年少となった。中井は「全然怖さとかもなく、緊張も思ったよりしなかった。本当に夢がかなったぐらいのうれしさもある」と笑みを浮かべた。
好スタートを切った中井は、愚直に歩みを進めてきた。ジュニア時代に鈴木さんから振り付けを教わった際には、シニアでの演技を見据える上でテンポの速い曲を選んだ。鈴木さんは「もともとはゆったりとした、しなやかなプログラムを滑っていたけど、中庭(健介)コーチから今までと違うものをやりたいと相談を受けて、アップテンポな曲に挑戦した」。ジュニア時代からさまざまな曲に取り組むことで、表現の幅を広げることが狙いだった。
一昨季は腰痛の影響で思うような結果が残せなかった。焦りが募ってもおかしくないなか、中庭コーチら周囲の人間が上手にコントロール。鈴木さんは「休むべき時に休まなきゃいけない。その分スケーティングの練習に注力したところが今の伸びやかな滑りに結びついていると思う。それが土台となってその先につながっているだろうし、我慢できたのが大きいのでは」と分析した。
今季はエキシビションでアップテンポの曲をセレクト。新たな挑戦や地道な鍛錬を通じ、年を追うごとにスケートのレベルが上がっていった。SPで舞った「道」は、男子で2010年バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔さんが過去に演じた曲。シーズン序盤には高橋さんから直接指導を受けた。現場で中井と高橋さんのやり取りを見ていた鈴木さんは「音の捉え方と振り付けの緩急の付け方が明確になったと感じた」と変化を指摘した。
19日(日本時間20日)のフリーでメダル獲得も現実味を帯びる圧巻のパフォーマンスだった。ただ、中井はあくまで自然体を貫いている。「メダルはもちろん欲しい」としながらも「そこまで結果重視で今回の五輪に来てるわけではない。最後の瞬間まで本当に楽しめたら」ときっぱり。己の意思を貫いた先に、明るい未来が待っている。












