〝切り替え術〟が強さの秘訣だ。ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)が17日(日本時間18日)に行われ、坂本花織(25=シスメックス)が77・23点で2位発進。逆転での頂点取りに向けて、上々のスタートを切った。小学校時代からの友人であるプロスケーター・山隈太一朗氏が取材に応じ、日本をけん引するエースのすごさを証言した。
恐怖に打ち勝ち、両手で拳を握った。SP前日までは涙の日々だったが、エースの矜持を示した。3本のジャンプを着氷させ、スピン、ステップは最高難度のレベル4を獲得。「いつも通りの緊張がありながらも、滑っている間はすごい楽しかった。満足度はめっちゃ高かった」と安堵の表情を浮かべた。
その坂本は20年以上にわたり中野園子コーチの熱血指導を受けており、厳しさに愚痴をこぼすこともある。それでも、2人の思いにブレはない。中野コーチから指導を受けていた山隈氏は「シニアの選手になってくると『自分がどう滑りたいからこうしたい』とかいろんな欲が出てくる。だけど、坂本選手と中野先生は勝負の世界で勝つという最大限の目標に対して、マックスの熱量で矢印が向いている」と明かした。
坂本と中野コーチは練習中に大ゲンカをすることもしばしば。「現役の時にそこまで一緒に試合に行っていたわけではないけど、僕でも(坂本が)怒られているところは見た。怒られている時は聞き流している感じはなくて、本気でうわってなっている」。
ただ、決して引きずることはなく「本気で向き合っているのに、練習が終わったらケロっとしている。本気で向き合った後にスイッチを切り替えられるのは、なかなかできない」と目を丸くした。
2022年北京五輪は団体&個人で銀メダル、22~24年には世界選手権で3連覇を果たした。坂本は常に追われる立場ながらも、数々の重圧に打ち勝ってきた。山隈氏は「昔からキツい練習の時でも楽しそうにしていた。坂本選手がどう思っているのかはわからないけど、苦しさを苦しみと捉えない感じかな。キツい練習した後でも普通に遊べたりとか、そのオン、オフの切り替えができるので、追い込まれているのに追い込まれないようなメンタリティーを持っているのでは」と分析した。
2日後のフリー(19日=日本時間20日)は、首位の中井亜美(17=TOKIOインカラミ)を追う立場で迎える。「もちろん追いかける方が楽なので、最後の最後まで追いかける立場でいさせてくれる亜美ちゃんに感謝」とニヤリ。攻めの姿勢で頂点への扉を切り開く。













