ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子は鍵山優真(22=オリエンタルバイオ・中京大)が合計280・06点をマーク。2大会連続で銀メダルに輝いた。オールラウンダーとして躍動したエースのすごさを、アイスダンスの西山真瑚(24=オリエンタルバイオ)が明かした。

 メダリスト会見に出席した鍵山の表情は晴れやかだった。「今回の五輪はプラスに考えることが多くて、マイナスの感情があまりなかった」と収穫を強調。今後に向けては「もっともっと強くなりたいと思って(選手村での)夜を過ごした」と力を込めた。13日(同14日)のフリーはミスもあったが、新たなモチベーションになったようだ。

 今大会の鍵山は団体&個人で銀メダルを獲得。通算4個目のメダルは、フィギュア日本人最多の快挙となった。その鍵山は完成度の高さが大きな武器。シングルでも活躍した西山は「ジャンプもきれいだし、スケーティングも本当に一級品のものを持っている。特にスケーティングに関しては、音がしないというか、リニアモーターカーみたいなイメージ。静かなのにすごいスピードが出ている」と印象を口にする。

高得点をたたき出す鍵山優真のスピン(ロイター)
高得点をたたき出す鍵山優真のスピン(ロイター)

 近年のフィギュア界はジャンプの難度に注目が集まる一方で、勝敗はジャンプ、スピン、ステップなどのトータルパッケージで争われる。鍵山が安定して高得点をマークできる理由は、スピンとステップにある。「他の選手との一番大きな違いはスピンにあると思う。最高難度のレベル4でそろえるし、GOE(出来栄え点)も稼げるような回転の速いスピンができる。ステップも正しいエッジを踏んで滑れている」と分析した。

 1つのスピンで3点以上の差が生まれることもあり、確実に点を重ねることが勝敗を大きく左右するという。さらにスピン、ステップをレベル4でそろえることは、PCS(演技構成点)の底上げにもつながる。「鍵山選手は簡単じゃないけど、そのあたりの点数をとりこぼさない。なので、点数も必然的に上がっていくという部分もあるのでは」と指摘した。

 目標の金メダルには届かなかった。それでも、北京五輪後の4年間を通じ「後悔や未練はない。この地で挑戦できたことがこれからの成長につながる」と学びを得た鍵山。己の武器を磨き、頂を目指して戦い続ける。