ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子(13日=日本時間14日)でカザフスタン初の金メダルを獲得したミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)が、大失速したイリア・マリニン(米国)への思いを語った。

 ショートプログラム(SP)5位で迎えたフリーで、シャイドロフは4回転ジャンプを次々と着氷。198・64点をマークし、合計291・58点で逆転優勝を果たした。一方のマリニンはSP首位発進ながらも、フリーはクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の回転が抜けると、相次いでジャンプにミスが出た。得点を伸ばせず、金メダル最有力候補がまさかの8位に終わった。

 シャイドロフはマリニンの演技について「とても驚いた。彼はフィギュア界にとって非常に重要な人物。史上最高のスケーター。彼を応援していたのに、彼はミスをし始めた。彼はめったにミスをしない選手なので、本当に驚いた」と胸中を吐露。マリニンからは「君は金メダルに値する」と声をかけられたという。

不慮の死を遂げたカザフスタンのスケーター、デニス・テンさん(ロイター)
不慮の死を遂げたカザフスタンのスケーター、デニス・テンさん(ロイター)

 カザフスタンのフィギュア男子勢では、2014ソチ五輪でデニス・テンさんが銅メダルを奪取。フィギュアで同国初の表彰台を勝ち取ったものの、18年に25歳の若さで殺害された。「私の目標は、自分の能力のすべてを披露し、美しい演技を披露し、カザフスタンでフィギュアスケートがどれだけ成長したかを示すことだけだった」。

 亡き先輩にささげた演技が、快挙につながった。