3か月間で何が起きたのか――。ソフトバンクの秋広優人内野手(23)が小久保裕紀監督(54)の視線をくぎ付けにした。2日の宮崎春季キャンプでは、全体練習後に行われた約30分間の特打で柵越えを25発。中堅方向を意識した打撃で、圧巻のホームランショーを演じた。

 秋広の特打中、小久保監督は打撃ケージの斜め後ろに陣取った。時間いっぱいまで見守り「このオフでバッティングが全然変わっていた。まだ2日だけど、一番変わっていたのは秋広。トップが浅めで上からパッとバットが出る選手だったけど、ちょっと懐が大きくなって、その分距離が取れて打球速度と飛距離が伸びている感じがした」と、その変貌ぶりに思わず声を弾ませた。

 昨年5月に巨人からトレードで加入。移籍1年目は22試合に出場して打率2割8厘、1本塁打、4打点と振るわず一軍定着とはならなかった。飛躍を期す6年目。この日の姿はオフの鍛錬のたまものだった。

 低いライナー性の当たりが中堅フェンスを幾度も越え、泳ぎながらも前で拾った打球が何度も柵を越えた。変貌の裏には大物たちからの手引きがあった。秋広はこのオフ、鷹の大砲・山川穂高内野手(34)と巨人のレジェンド・坂本勇人内野手(37)に師事。まず山川から練習初日に「左ヒザが折れる悪い癖と体重移動の欠点」を指摘され、すり足から足を上げるフォームに改良して土台をつくった。さらに坂本からは「ゴロだったらノーチャンス。バットの上に当たってフライだったら仕方ない」とシンプルな指導で「泳がされた時の凡打のなり方」を指南された。また、2人から共通して中堅を中心に45度の角度内に打ち返す意識を植えつけられた。

 この日フェンスを越えた当たりはレクチャー通りの弾道ばかり。期待せずにはいられない身長2メートル、体重100キロ超の23歳は、豪快な野球を掲げる鷹でついに覚醒するか。