米司法省は1月30日、性的虐待罪などで起訴され公判前に自殺した実業家ジェフリー・エプスタイン元被告を巡る捜査資料、裁判資料、電子メール、財務記録、搭乗記録、通信データなどの関連文書「エプスタイン・ファイル」のこれまで非公開だった約300万ページ分を公開した。文書だけでなく、2000本の動画、18万枚の画像が含まれる。

 しかし、エプスタイン氏の被害を訴える200人以上の被害者の弁護士は、司法省にエプスタイン・ファイル公開サイトの閉鎖を命じるよう裁判所に要請した。米ABCニュースが2日、報じた。

 ABCニュースが入手した書簡によると、弁護士らは、司法省が被害者の氏名や個人を特定できる情報を十分に黒塗りしていない重大な不備が広範に存在すると主張しているという。

 ブリタニー・ヘンダーソン弁護士とブラッド・エドワーズ弁護士は、リチャード・バーマン判事およびポール・エンゲルマイヤー裁判官宛ての書簡の中で、次のように述べている。

「ジェフリー・エプスタインの被害者にとって、1時間1時間が重大です。被害は現在も続いており、取り返しのつかないものです」

 弁護士らは、司法省がエプスタイン・ファイルをサイトに掲載し始めて以降、黒塗りミスの修正を求めてほぼ絶え間なく同省と連絡を取り続けてきたとし、「こうした失敗は再発しないと期待していた」と記している。

 しかし書簡では、「その期待は2026年1月30日に打ち砕かれた。この日、司法省は米国史上、単日としては最も重大な被害者プライバシー侵害を犯した可能性がある」と強く非難している。

 弁護士らは、直近48時間で「約100人の個別の生存被害者に関して、数千件の黒塗り漏れを報告した」としている。これらの被害者の人生は、司法省による最新の資料公開によって大きく混乱させられたという。

 書簡では、当時未成年だった被害者を含むフルネームが黒塗りされずに掲載されたFBI文書の例を挙げている。また、別の被害者については氏名、銀行情報、住所が無修正のまま公開されたと主張している。さらに、未成年被害者32人を列挙したメールでは、1人分しか黒塗りされていなかったという。

 書簡には、実名が公開されたとする被害者女性の声として、「私は一度も名乗り出たことがありません! 今、メディアや他の人々から嫌がらせを受けています「これは私の人生にとって壊滅的です。私の名前が記載された文書が公開され続ける限り、1分1分がさらなる被害をもたらします。お願いです、私の名前を削除してください」と記されている。

 司法省は、大規模な文書公開において一定のミスが避けられないことを認めつつ、指摘を受けた黒塗りミスは是正すると約束している。