阪神は1日から沖縄県内で春季キャンプをスタートさせ、佐藤輝明内野手(26)は宜野座組で始動した。将来的なMLB移籍を目指す中、球団側との契約交渉は長期化。キャンプイン直前の〝駆け込みサイン〟で最悪の事態は避けられたが、超大型契約の締結によって球団内に波紋が広がることも懸念されている。

 この日の佐藤輝はキャッチボールやノックなどでみっちりと汗を流し、フリー打撃では3連発を含む8本の柵越えを放った。

「いよいよ始まるなという感じです。今日は体の動きと守備、走塁、バッティングをそれぞれ確認しながらやっていました」。昨季は本塁打と打点でリーグ2冠に輝いた。それでも向上心は衰えず、オフは打撃改革に取り組み「去年と全く一緒ということはないです。風もあるし、ボールも違うので一概には言えませんが、初日にしてはいいかなと思います」。3月に開催されるWBCでは初の代表入りを果たしており「しっかり合わせて調整していければ」と力を込めた。

 ただ、この日を迎えるまではドタバタだった。球団と今季契約を結んだのは1月30日。球団側の承認が必要なポスティングシステムを利用したメジャー移籍の意思を持つ中、単年契約で年俸4億5000万円プラス出来高払いの総額5億円規模で合意した。

 結果的に昨季から一気に3億円の大幅アップとなる契約に、チーム内からはさまざまな声が上がった。

 選手の一人は「甲子園でホームラン王、打点王に輝いたのはすごいこと」と評価した上で「今後も同じような選手が出てきたら球団も年俸アップだったり、そういうことに対応しなければならなくなるし。それはどうなのか」と首をかしげた。

 また、年俸は球団の評価と期待の表れである一方、チーム内のバランスにも影響する。

 昨季終了後には近本光司外野手(31)が国内FA権を行使せずに残留。プロ7年間で盗塁王に6度輝くなどチームに貢献し、5年25億円で契約した。さらに、2024年オフに国内FA権を行使しながらも残留を決めた大山悠輔内野手(31)も、5年総額17億円プラス出来高でサイン。それだけに「活躍したのが1年間で、タイトルを取って年俸5億円は…」と疑問視する声もあった。

 それでも佐藤輝が周囲の評価や雑音に左右されることなく、バットを振り続ける姿勢に変わりはない。〝破格評価〟が正しかったかどうかは結果で示してみせる。(金額はすべて推定)