書くか、それとも消えるか――。巨人の一軍合同自主トレが28日から宮崎で始動。2年ぶりのリーグ優勝、14年ぶりの日本一奪回へチームは早くも〝ふるい〟にかける段階へと突入した。
2月1日からスタートする今春のキャンプは首脳陣も覚悟を求める〝地獄の春〟になるのは確実だ。長時間の猛練習に加え、実戦を見据えた投内連係、シートノックなどチームプレーの強化も継続。体力だけでなく、理解力と対応力まで問われるサバイバルが始まる。
その中で首脳陣が最も危惧しているのが、若手と主力の間に生じる〝理解度の差〟だ。同じ説明を受け、同じ練習をしても吸収できる選手と、そうでない選手の差ははっきり分かれる。そこで橋上秀樹オフェンスチーフコーチ(60)が若手に突きつけた〝生き残りの条件〟がある。それが「メモを取る習慣」だ。
同コーチは「書くことで記憶にも定着しますし、何かすごくいいものを得られたっていう成功体験がしやすくなる。そうすれば、どんどん持って書く度合いも増すし、いい流れになる。対戦が終わって、自分で得た感想(として)、『これをやったらよかった。これがよくなかった』っていうのを次にメモして残しておけば、その次に対戦するいいヒントになる」と言い切る。
実際、チーム内には明確な成功例がある。ベテランの丸はチーム屈指の〝メモ魔〟として知られ、試合中もベンチに戻るとコースや球種を色ペンで書き留める姿が何度も目撃された。昨季ベストナインとゴールデン・グラブ賞をダブル受賞した泉口も、試合中に積極的にメモを取るタイプだ。
若手ではリチャードが象徴的だ。昨年8月、自ら球団に出向いて「ジャイアンツ手帳」を受け取り、メモを習慣化。同月に5本塁打を放ち、9月には月間打率2割7分7厘と平均アベレージを引き上げ、結果を残した。
もちろん、メモを取るだけで即、成績が跳ね上がるほどプロの世界は甘くない。だが、地獄の宮崎を乗り切り、一軍に残るための〝最低条件〟であることは間違いない。
巨人の春はすでに始まっている。













