希代の韋駄天がキャリアの全盛期を鷹に捧げる――。
ソフトバンクの周東佑京外野手(29)が23日に福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5年総額20億円プラス出来高の大型契約を締結。昨季年俸1億1000万円からの大幅アップで今季から3年間が固定制、残り2年は前年までの成績に応じた変動制となる。
周東は今季中に取得が見込まれる国内FA権の行使を念頭に、単年契約を選択するか熟考。球団の誠意が実を結ぶ形で昨年末までに方向性を決め、キャンプイン直前の更改となった。
越年となっていた注目の契約更改が決着した。「5年いただいたんで、5年しっかり働きたい」と責任感をにじませた上で「余裕は持ちたくない。5年あって1年目だから、まだ先があるとかは思いたくない。契約が始まる今シーズンがすごく大事」と強い覚悟を語り、全143試合フルイニング出場を直訴した。
2017年ドラフト育成2位で入団した周東は9年目となる今季、順調ならば国内FA権を取得する。年俸400万円の育成選手から幾多の壁を突き破ってきた29歳にとって、特別な権利だ。昨季まで3年連続で盗塁王を獲得し、ゴールデン・グラブ賞の常連にして、いまや球界を代表するリードオフマンに成長し、WBC日本代表でも主力として期待される存在。他球団の評価を聞いてみたい、新しい世界をのぞいてみたいという思いがあっても不思議ではなかった。
26年オフの国内FA権行使を真剣に考えていた。「単年契約にするか、本当に悩んだ」。23年オフに球団からの複数年契約を固辞して単年契約を結び、翌年オフに巨人へFA移籍した甲斐拓也のような選択肢があったことは否定しない。
野球人生を左右する契約だからこそ、たとえホークスと相思相愛でも決断に時間がかかるのは必然だった。そんな中、球団は最大限の誠意を示した。破格の契約に「足の速い選手は早くケガして早く終わりがちなところがある。そこを35歳まで確約してもらえる契約をいただいた。(イメージに)負けんなよって言われてる気がした」と感謝し、腹を決めた。
5年20億円超の大型契約は、城島CBOから2年前に直接託された思いに応えた対価だ。
「足を売りにしている子たちの未来のために成績を残して歴史を築いてほしい」
「1日1回、代走で出てきてもダメ。5打席立って毎回塁に出ないと!」
剛腕や長距離砲と同じように見る者の心をときめかせ、夢を与えてほしい――。この叱咤激励を忘れたことはない。「城島さんから言われたような選手に近づけているのかな」と、育成入団からの立身出世に少しだけ胸を張った。
世界一の足を持つ走攻守揃った選手への「適正評価」であることを証明し、ロールモデルとなる。(金額は推定)













