今オフのストーブリーグで断続的に飛び交ってきたドジャースのテオスカー・ヘルナンデス外野手(33)の放出説に、ようやく明確な〝区切り〟が入れられた。ドジャース専門メディア「ドジャースウェイ」は球団内外の関係者証言も踏まえ「テオスカーのトレード説はここで終わるべきだ」と断じ、事実上の終止符を打った。
背景にあったのは、テオスカーの2025年シーズンがやや期待外れに終わったという評価だ。故障に悩まされながらも25本塁打を放ち、パワー指標は依然として健在だったが、成績全体は「絶対的主軸」とは言い切れない水準。加えてドジャースが今オフ、外野の大型補強を模索していることも重なり、「適切な条件なら放出もあり得る」との臆測が真偽不明なまま独り歩きしていた。
だが、この見方に待ったをかけたのが米紙「ニューヨーク・ポスト」の敏腕記者ジョン・ヘイマン氏による指摘だ。外野手不足に悩むヤンキースが右の強打者を探している状況にもかかわらず、ドジャースはヘルナンデスを交渉のテーブルに載せていないという。前出の「ドジャースウェイ」は、これを「球団が一貫して主張してきた方針の裏付け」と受け止めた。
そもそも、ヘルナンデス放出論には構造的な無理がある。ドジャースはカイル・タッカー外野手(28=カブスFA)やコディ・ベリンジャー外野手(30=ヤンキースFA)といった超大物の動向を注視しているが、2人のダブル獲得は非現実的であることから、仮にどちらかを獲得したとしてもヘルナンデスを手放せば外野に新たな穴が生じる。
ドジャースの傘下マイナーにはホセ・デポーラ(20)、ザイア・ホープ(20)、エドゥアルド・キンテロ(20)、マイク・シロタ(22)の若手有望株4人が外野手として名を連ねているものの、いずれもダブルA以上のリーグに昇格した選手は皆無。いきなり今季からメジャー昇格を果たして即戦力となる計算は難しく、3連覇を狙うチームが開幕から頼るのは現実的ではない。
加えて将来的な大型トレードで外野手4人の有望株を取引材料として放出する可能性を考えれば、実績ある右の長距離砲を手元に残す意義はむしろ増す。前出「ドジャースウェイ」が指摘するように「ささいに見えるが重要なアップデート」だったのは、ドジャースが最初からブレていなかった点だ。
騒動の発端は市場の期待と臆測に過ぎず、ドジャースの戦略とは乖離していた――。そう総括すれば、このトレード説はすでに結論が出ていたと言えるかもしれない。テオスカーを巡るうわさは、このまま静かに幕が下ろされるのだろうか。












