相川亮二監督(49)率いる新生DeNAは、前阪神の右腕ジョン・デュプランティエ投手(31)を獲得。補強ポイントの一つだった先発陣強化に一定のメドがついた格好だが、このチーム最大の課題はやはり、本塁打の出やすい本拠地・横浜スタジアムでの戦いに特化した〝破壊力のある攻撃陣〟の構築だ。本紙評論家の伊勢孝夫氏が今季ベイ打線のキーマンとして指名したのは――。

DeNAの本拠地・横浜スタジアム
DeNAの本拠地・横浜スタジアム

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】チームカラーというものは、それぞれの本拠地球場の特性に多大な影響を受ける。浜風の吹く甲子園や、パークファクターが極端に低いバンテリンドーム(ホームランウイングを新設)で戦う阪神や中日がディフェンス面に重きを置いた「スモールベースボール」を志向するのは自然の流れだ。

 そういう意味では球場が狭く、人工芝でゴロの打球速度も速くなる浜スタで戦うDeNAが、よく言えばオフェンシブ、悪く言えば粗さのあるチームカラーに染まってしまうのは、ある程度仕方のないことだ。私がこのチームの打撃コーチだったとしても、攻撃的なオーダーで打線を組むだろう。今の阪神と同じ戦い方を目指したところで勝ち目などない。

 MLBのように牧のような長距離打者を1、2番に置くようなオーダーもこのチームなら機能するかもしれないし、個人的には否定するつもりもない。まずは、相川監督の思い描く打線の形を見てみたい。

昨季は終盤から本来の打撃を見せたDeNA・筒香嘉智
昨季は終盤から本来の打撃を見せたDeNA・筒香嘉智

 私が今季、一番期待をかけているのは筒香嘉智外野手(34)だ。NPB復帰当初(2024年)は全く結果を出せていなかったが、昨季後半あたりから、ようやく本来の力を発揮できるようになってきた印象だ。まだ34歳。老け込むような年齢ではない。

 左翼や三塁などさまざまなポジションで起用されてきたが、来季は負担の少ない一塁で固定してやりたい。安定したプレー環境を与えてやれば、打撃成績もさらに向上するだろう。地元・横浜高から高卒入団した彼は、いわばチームの象徴的存在。筒香が打てば球場が大きく沸き、チームのムードも変わる。イケイケ押せ押せの勢いに乗って打ち勝つスタイルこそDeNAの真骨頂だ。それを貫いてほしい。

今年でプロ3年目を迎えるDeNA・度会隆輝(右)
今年でプロ3年目を迎えるDeNA・度会隆輝(右)

 もう一人、私が個人的に注目しているのはプロ3年目を迎える度会隆輝外野手(23)だ。蛯名、ヒュンメル、梶原、佐野と層が厚い外野のレギュラー争いを勝ち抜くことは容易ではないだろうが、積極的な打撃スタイルには好感を持っている。

 何よりも、底抜けに明るく華のあるキャラクターは「ヨコハマ的」でいいではないか。〝堅物〟だった父・博文とはまるで似ていない。彼もまたチームにムードと勢いをもたらすことができる選手だと思っている。ただし、打撃成績が今のままなら、ただのピエロで終わってしまうだろう。(本紙評論家)