ソフトバンクの前田悠伍投手(20)が成長の一環として先輩たちからもらった本の存在を挙げた。2年目の今季はプロ初勝利を記録するなど3試合に登板し1勝1敗、防御率3・97。本人は契約更改の場で危機感も口にしたが、確かな一歩を踏み出した一年だった。

 そんな前田悠が今季、ルーキーイヤーよりも増やしたというのが読書の時間だ。昨年も少しは読んでいたというが、今季は「本から学ぶことも多かった」と読書タイムが増加。読む冊数自体は多くはなくとも、厳選した数冊を何度も読み記憶に定着させた。例えば、シーズン中には解剖学の本にも触れて自らの体の使い方に知見を得た。

 そんな中で中村晃、大関ら先輩からもらった本を繰り返し読み、自らの蓄えとした。中村晃からもらったのは「やり抜く力 GRIT(グリット)」。シーズン開幕前に寮生全員に送られたという一冊で思考を整理した。

 そしてシーズン終盤、左ヒジ関節クリーニング手術を受けて入院している時に上茶谷が手渡してくれたのが「反応しない練習」。決して近いとは言えない病院までサプライズで来てくれた先輩右腕が「昔から1人が好き。大人数だとストレスを感じてしまう時もある」という左腕のために手渡した本だった。前田悠は「すごく勉強になったし、上茶谷さんが(自分のことを)すごく考えてくれてるなと思った。来てもらったのがすごくうれしかった」と感謝を述べた。

 SNSが普及する現在は動画などで簡単に結論を得ることができるが、前田悠は「本でしか学べないこともあると思う。動画は答えは言っていても、その道のりを見ないと納得もできないので」と本ならではの利点を語った。先輩からもらった本で知識をつけ、自らのプロの道のりを明瞭なものにできるか。鷹の背番号41の3年目の飛躍に期待がかかる。