【もう一つの〝プロレス大賞〟~ベストバウト編~】17日に発表された2025年度プロレス大賞の年間最高試合賞(ベストバウト)は、1月1日のプロレスリング・ノア日本武道館大会で行われた清宮海斗 vs OZAWAのGHCヘビー級王座戦に決定した。決戦投票で過半数の支持を得たこの試合に対し、1回目の投票で選考委員の熱い1票が投じられた試合がある。8月31日にDDT後楽園ホール大会で行われた男色ディーノ(48)vs 棚橋弘至(49)のスペシャルシングルマッチだ。

 ディーノと棚橋は直接的なつながりはないが、ディーノは大阪学院、棚橋は立命館で、同じ時代に関西で学生プロレスに身を投じていた〝同志〟だ。積年の思いが爆発した試合は逆エビ固めで棚橋の勝利に終わったが、自身の世界観に棚橋を巻き込んだディーノに、観客からは惜しみない声援が送られた。

 ちなみに試合中に披露された棚橋の衝撃的なTバック姿は、翌日の東スポの1面を飾った。

棚橋vsディーノの忘れられない?迷シーン
棚橋vsディーノの忘れられない?迷シーン

 選考委員の一人は「新日本とDDT、メジャーとインディーの関西学生プロレス時代の同世代が初めて対戦を実現させたエポックメイキングな試合。対照的なキャリアでも、感動的な巡り合い。試合も素晴らしく(棚橋とDDTの)10年前の因縁も精算するようなものだった」と評した。取材に応じたディーノは「そのクレイジーな1票を入れたやつは誰なんだと。お前知ってんのか!」と記者を問い詰めた。

 決しておふざけで入った一票ではないことをと説明すると、ディーノは納得した様子。その上で「『私みたいな人間がベストバウトに入っちゃダメだろ』って思ってる部分は全然ある」とポツリ。その理由を「誇りを持って生きているんだけど、私という存在がベストバウトのカウンターとしてやってる部分があるのよ」と説明した。だからこそ「そういう意味では1票は〝おいしい〟。名前が出るぐらいがちょうどいいの」と満足げな表情を浮かべる。来年からも〝ノミネートまでは頑張る〟ことを誓っていた。

 棚橋は来年1月4日、新日本プロレスの東京ドーム大会での引退を控えている。ディーノは「『愛してまーす! 』は私が継承したと思ってるので。今後も〝愛〟を伝えていきます」と次代にその〝イズム〟を継承していく構えを見せた。

 来年は誰とどんな名勝負を見せてくれるのか、注目だ。