背番号3が汚名返上へ静かに燃えている。阪神・大山悠輔内野手(31)はクリスマスの25日も甲子園室内練習場で黙々と汗を流した。今季は141試合に出場し、打率2割6分4厘、13本塁打、75打点。ポストシーズンの8試合では2安打と本来の打撃でチームをけん引できず、日本一には届かなかった。

 本人は「良かったシーズンでもあるし、良くなかったシーズンでもある。どっちの感情もあるシーズンだったので。もっとやらないといけないなと思った」と悔しさをにじませていたが、現場の評価が成績の波に左右されることはなかった。来季からヘッドを務める和田豊コーチも「いいところで打ってくれればいい。プレッシャーもあるだろうけどはね返すだけの力もあるからね」と信頼を口にしていた。

 さらに首脳陣だけでなく、球団OBの掛布雅之氏も自身の殿堂入りパーティーで「大山がいたから佐藤輝、森下が育った。勝つことは佐藤が背負えるけど、負けを背負えるのは大山しかいないんじゃない」と断言。「連覇、時代をつくるためには絶対いなきゃならないカードだと思います」と力説していた。

 振り返れば、大山は昨オフに国内FA権を行使。巨人からのラブコールも受けた中で残留を決断し、5年総額17億円プラス出来高(推定)で契約した。仮に大山が巨人入りしていれば、5月から長期離脱した岡本和真内野手(29)の穴を埋めるピースにピタリとハマり、猛虎の史上最速優勝も実現していなかった可能性すらある。

 大型契約に見合う〝100点満点〟の打撃成績ではなかったかもしれない。それでも勝敗の重圧を一身に背負い、打線の軸に座り続けた価値は数字以上に大きかったはずだ。5年契約の2年目となる来季に向けてトレーニングを重ね、勝負どころで再び快音を響かせる。