猛虎の卵がリーグ連覇への使者になるかもしれない。ドラフト2位ルーキー・谷端将伍内野手(21=日大)が「万能型新人」として注目を集めている。

 星稜高(石川)時代から本職は三塁。大学では内野の全ポジションをこなし、左翼の守備にも就いた。恩師でもある同大の片岡昭吾監督(47)によると、谷端の転機は2年秋だったという。当時の東都リーグは国学院大・武内(現西武)ら左の好投手が勢ぞろい。右の強打者が不足するチーム事情もあり、指揮官は大きな決断を下した。

「『レフトできるか?』と聞いたら『できます』とのことだったので。やってもらいました」。外野守備の本格的な練習はリーグ戦開幕までのわずか5日間だけだった。それでも急ピッチで仕上げ、左翼として開幕スタメンに名を連ねた。恩師も「大学に入って外野は一度もやらせてなかったので、使う考えもなかったんですが…。ミスもなくよくやってくれました」と振り返る。

 さらにリーグ戦中盤から本職の三塁に戻ると、同ポジションでベストナインを受賞。片岡監督も「本当にすごいことですし、チームの救世主でしたね」とその働きをたたえた。

 プロの舞台では〝使い勝手の良さ〟も大きな武器となる。一塁・大山悠輔内野手(31)のバックアップに加え、今季固定できなかった遊撃や左翼といったポジションにも割って入るシナリオを描ける。

 片岡監督も「ライバルが多くてかなりの競争の中でやっていかなければなりませんが、ケガなくやっていればチャンスが巡ってくると思います。それをモノにしてほしいですね」とエールを送った。与えられた役割を確実にこなしてきたドラ2ルーキーが、来季はチームに欠かせないピースとなるかもしれない。