エンゼルスが再び迷路に入りかけている。MLB公式サイト「MLB.com」などによれば、マイク・トラウト外野手(35)が2026年シーズンに中堅手として再起用される可能性が浮上。ペリー・ミナシアンGM(45)は「何も排除していない」と含みを持たせ、左翼やDHとの併用も示唆したが、この構想に多くの米メディアからは早くも疑問符が付けられている。

 米メディア「ヤードバーカー」も「34歳のトラウトは、特に身体の消耗が激しく、スピードが上がっていない」と打撃に加えて外野守備のパフォーマンスが著しく低下している点を挙げ、厳しく指摘。今季のトラウトは負担軽減を目的に右翼へ転向したものの左膝の骨挫傷で離脱し、最終的にはDH中心の起用となった。それでも130試合に出場したのは2019年以降最多だが、成績は打率2割3分2厘、26本塁打、64打点と「全盛期」とは程遠い結果に終わった。特に打率は11年のルーキーイヤー以降、初めて2年連続で2割5分を下回り「自己ワースト」となってしまった。

 守備面でも中堅としての指標はUZR、DRS、OAAの数値いずれも21~24年にかけて失点を重ね続けていることで、どれもほぼ年々低下している。スピードと耐久性が求められる中堅復帰は、トラウト自身の消耗を早めかねない危うさをはらむ。

 背景にあるのは、チーム編成の行き詰まりだ。25年に中堅を任されたジョー・アデル外野手(26)は守備指標でリーグ最悪クラス。代替案としてトラウトを〝元の場所〟に戻すのは即効性のある策に見えるが、実態は延命措置にすぎない。若手有望株ネルソン・ラダ外野手(20)の台頭も控えており、なおさらベテランに過度な負担を強いる判断には疑念が残る。

 そして、この迷走は大谷翔平投手(31)を引き留められなかった2年前のオフと地続きだ。主軸を失った同じロサンゼルスでドジャースが王朝を築く一方、エンゼルスは場当たり的な起用で〝負のループ〟を深めている。

 トラウトを中堅に戻すという決断が、再建への一手となるのか。それとも、象徴的存在をすり減らすだけの悪手となるのか。ミナシアンGMの判断力が今、厳しく問われている。