今年で52回目を迎えた「東京スポーツ新聞社制定2025年度プロレス大賞suppоrted byにしたんクリニック」の最優秀選手(MVP)はスターダムの上谷沙弥(29)が初受賞した。女子のMVP受賞は史上初の快挙。敢闘賞もSareee(29=フリー)が女子初の三賞受賞を果たした。男子選手にとってはショッキングな結末となった今年の賞レースを特別選考委員を務めた小橋建太(58)はどう見たのか。鉄人を直撃した。
――今年のプロレス大賞は女子選手がMVPと三賞を受賞と波紋が広がりそうな決着となった
小橋 今年は日本初の女性の総理大臣が誕生した。女子がMVPを取ってプロレス界にもそういう波が来た。プロレス界の一つの転機となる年になったということだよ。
――上谷の評価は
小橋 最初は空中殺法をきれいに決める選手だった。それがチャンピオンになって相手の技をきちんと受けて、受け身をしっかり取る。相手を引き出して仕留める選手に成長した。ただ単に技を出すだけの選手じゃない。王者としての進歩を見せてくれた。テレビに出ても300メートル走とかにチャレンジして、プロレスラーとしての能力を示した功績は大きい。また、新しいヒール像を確立したね。悪いことしても何か憎めない。ワルってても本当は真面目っていう(笑い)。
――男子を押しのけてMVPを取ったのだから、今後のハードルも当然高くなる
小橋 周りの見る目が変わる。プレッシャーに負けず、MVPなんだから試合はもちろん、レスラーというのはこうなるべきだという行動をとらなきゃいけない。プロレス界を代表する顔になったのだから人間としても成長しなきゃいけない。
――敢闘賞も女子のSareeeが受賞した
小橋 彼女はMVPにノミネートされてもおかしくなかった。MVPと三賞を女性が取る。新しい時代の始まりだね。女子プロレス界がもっと面白くなるよ。
――一方、男子にとっては屈辱の結果でもある。小橋さんの現役時代に女子にMVPを奪われたら絶対に怒っていた…
小橋 怒らないけど、そりゃ悔しいよ。そういう思いがないのはウソだよ。でも、それだけ女子の人気が高まっている証拠だし、52年目にしてMVPを女子に持っていかれた男子の意地を見せてほしい。
――古巣のノアからは清宮とOZAWAがベストバウトに選出された
小橋 OZAWAがあの試合で新しい清宮を引き出した。ノアはこの後から地方のチケットも伸びたと聞いている。ノアに新しい波を起こしたOZAWAの出現は大きいね。
――引退前年に棚橋は技能賞に輝いた
小橋 俺は引退前の年に何も取れなかったし、引退試合もベストバウトに選ばれなかった…。引退試合の後に天龍さんから「ベストバウト狙っていただろう?」って電話があったよ。「いや、狙ってないです」と言ったら、その後、天龍さんは自分の引退試合でちゃっかりベストバウトを取った。それまで最多ベストバウト数で天龍さんと8回で並んでいたのに最後に抜かれたことを思い出したよ。天龍さんというビッグスターのまるで子供のような負けたくないっていう意地を…。
――それはさておき、棚橋は来年1・4東京ドームで引退する
小橋 こうなったらベストバウトをぜひ狙ってほしい。今まで戦ってきたことを全部さらけ出せば、ベストバウトにつながると思う。棚橋選手はレスラーとしても人間的にも本当に素晴らしい。最後までケガなく走り切ってほしいね。












