【昭和~平成スター列伝】来年1月4日の東京ドーム大会でオカダ・カズチカとの引退試合に臨む新日本プロレスのエース・棚橋弘至の本紙連載「棚橋弘至 百面百臂」が好評のうちに佳境を迎えている。第14回では最大のライバルにして盟友の中邑真輔(現WWE)とのIWGPタッグ王座初戴冠について語っている。

中邑がみのるにシャイニングトライアングルを決めると棚橋は閃光魔術弾を叩き込んだ
中邑がみのるにシャイニングトライアングルを決めると棚橋は閃光魔術弾を叩き込んだ

 ライバル関係にあった2人だが、2004年12月11日大阪大会で棚橋は中邑とのコンビで佐々木健介、鈴木みのる組から初めてIWGPタッグ王座を奪取している。当時は天龍源一郎を中心に佐々木、鈴木らの「外敵軍」が猛威を振るっていた。新日本の次代のエースとされた2人には負けられない一戦だった。

「12月11日の大阪大会で棚橋弘至、中邑真輔組が佐々木健介、鈴木みのる組を下し、第47代IWGPタッグ王者となった。古傷の両ひざを痛めた棚橋がいきなり集中砲火を浴びる。カニバサミ、監獄固め、足4の字固め…そしてマッケンロー(ひざ裏へのラリアート)。わずか5分ほどで棚橋は戦線離脱してしまった。残された中邑はロンリーバトルを強いられて大苦戦。孤立していた時間は15分以上。それでも中邑はチャンスを待っていた。中邑が1人で奮闘している間に、棚橋が蘇生。反撃開始だ。まずは中邑が健介に投げっ放しジャーマンからエルニーニョ。棚橋はみのるに飛龍裸絞め。続けて中邑がみのるをシャイニングトライアングルに捕らえているところへ、棚橋はシャイニングウィザードを発射した。ここから原爆固めの競演。一度は棚橋がみのるにゴッチ式脳天杭打ちを食らうも、カウント2・9で立ち上がり飛龍原爆固め。3カウントを奪い大逆転勝利を挙げた」(抜粋)

 試合後、05年1月4日東京ドーム大会での一騎打ちを熱望。自らが保持するIWGP U―30無差別王座をかけての初対決をブチ上げた。そしてドーム決戦では若きエース同士の大一番が実現。試合は中邑が腕ひしぎ十字固めで勝利。棚橋は11度防衛したベルトを失って、中邑は同王座を返上した。棚橋は「時代の潮流を止められなかったという悔しさがあった」と振り返っている。

 初の一騎打ち後もIWGPタッグ王座は保持して4度の防衛を記録したが、05年10月30日神戸大会で蝶野正洋、天山広吉組に敗れて王座を失う。これによりチームは解消して2人はシングル戦線へと向かい、06年2月5日札幌大会で棚橋は対中邑戦初勝利を挙げる。「蜜月期間」が終わると両雄は多くの名勝負を生んで低迷していた団体を「V字回復」させることになる。

 オカダとの引退試合までもう1か月を切っており、両雄の再会は難しくなってきたが、どんな形でも苦難の時代を支えた2人が顔を合わせることをファンの誰もが期待している。果たして「奇跡」は起きるのだろうか。