6月3日に89歳で死去した巨人・長嶋茂雄終身名誉監督のお別れの会「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」が21日に、東京ドームで開催され、俳優・北大路欣也(82)お別れの言葉を送った。
「長嶋茂雄さんとの素晴らしい出会いの中で、多くの思い出を作ってくださいました、野球のファンの1人として幸せです」と感謝を伝えると、「私にとって忘れることのできないのは、12時間ドラマ宮本武蔵に挑戦をさせていただいた時のことです。放映の後に、その3日後に長嶋さんからお手紙が届きました」と一通の手紙を取り出した。
手紙には「突然このような手紙をお届けして驚かれたことと思いますが、新春2日、貴兄の宮本武蔵を拝見し、懐かしさとともに大いに感動して、ペンを取った次第です。宮本武蔵には心から感銘しました。まさに武蔵を演じては北大路さんをもって白眉とする、という思いでした。小生も学生時代から武蔵にはおおいに興味をいだき、野球の技を磨く上で参考になればという思いもあって、五輪の書を愛読してきました。武蔵の生き方について、自分なりの考えも抱いておりますが、今回のドラマで貴兄が演じられた武蔵はこれぞ、素顔の武蔵というべきもので、純粋な武蔵を演じられて格別に感慨の深いものでした。なによりも懐が深く、格段の集中力で武蔵を演じきった技が、人間武蔵をくっきり浮き彫りにされていました。随所に武蔵は俺なんだという気概が画面からにじみ出てきて、最後までテレビの前から離れることができなかった次第です。心の糧になるようなドラマを拝見し、感動を抑えきれず、筆をとってしまいました。ご多幸を祈念しております。1990年1月6日 長嶋茂雄」と記されていた。
「本当に驚きました。私はこのお手紙を受け取った時、大きく心を揺さぶられました。そのあとも多くの作品と向き合いますが、いつもこのお手紙が私の背中を静かに押してくれました。いや、今も押してくれています」と手紙を持つ手に力を込めた。
また、今年長嶋さんの誕生日に送られたもう一通の手紙からも文章を引用し、「『小生、本年で89歳になりました。いろいろ体験してきましたが、1つだけしっかりと体に染み込んでいるものは野球魂でしようか。誕生してから89年目、本年は野球年ということになります。夢中で取り組んできた野球人生で、野球年を迎えられたこと、何か誇らしい気持ちになりました』とあります。私には強く響きました。89。役者人生。役者魂。光をもらったような気がします。私もその役者魂に手が届くまで懸命に努めます。いつもあたたかく接してくださいました。そして、私たち夫婦をも励ましてくださいました。長嶋さん、私たちの長嶋さんへの感謝の思いは永遠です」と感慨深げに言葉をつむいだ。











