ドジャースの大谷翔平投手(31)が、今オフも歴史を塗り替えた。ナ・リーグMVP、ハンク・アーロン賞、オールMLBチームなどを含む「3年連続5冠」という前人未踏の金字塔を打ち立てたばかりだが、その熱狂の裏である〝誤解〟が米国のMLBファンの間で大きな話題となっている。

 その論点となったのは、MLBが12日(日本時間13日)に発表した「年間レジェンド・モーメント」賞。選出されたのは、大谷が10月17日(同18日)にドジャースタジアムで行われたナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦において披露した神がかり的な活躍だった。1試合3本塁打&10奪三振の投打での圧巻パフォーマンスだ。MLB公式Xも「史上最高のSho」と称え、2025年の象徴的瞬間に選出したことを誇らしげに伝えた。

 しかし、ここで予想外の反応がSNSを席巻する。「え、こんな賞あったか?」「大谷のために作った〝特設〟タイトルではないのか」「でっち上げだろう」などと、ファンの一部が〝疑惑〟を提起。これらXに投稿されたコメントを基に米メディア「ファーストスポーツ」は掲載記事の中で「大谷の受賞ラッシュが続くあまり『年間レジェンド・モーメント』賞について「マイナー」「聞いたことがない」と感じた層が、事実とは異なる憶測を飛ばし始めた」と報じている。

 実際のところ、同賞は「存在しない架空の賞」などではない。20年はブレット・フィリップス(レイズ)、21年はホルヘ・ソレア(ロイヤルズ)、22年は通算700号に到達したアルバート・プホルス(エンゼルス)、23年はアドリス・ガルシア(レンジャーズ)、昨年は大谷と同僚のフレディ・フリーマンが受賞している、れっきとした公式タイトルだ。

 では、なぜ今回だけ「疑われた」のか。背景には、ここ数年ささやかれている「大谷への投票疲れ」がある。毎年のように主要アワードは大谷の圧勝が続く――。しかしその一方で、投票権を持つ記者の間には「正当に評価すべきだが、大谷ばかりに票が集中する状況は議論を呼ぶ」という空気感も漂っていると言われている。

 実際、米メディア「ジ・アスレチック」の名物記者ケン・ローゼンタールも最近「投票者は選手が成し遂げた事実のみで判断すべきだ」と強調し、過熱する「スター偏重論」に警鐘を鳴らしていた。

 こうした〝過剰評価論〟や〝大谷中心主義〟に対する反発の余波が、今年の「レジェンド賞」にも飛び火した形だ。もっとも、大谷のNLCS第4戦のパフォーマンスが「伝説級」であったことに異論はほとんどない。

 ポストシーズン全体でも8本塁打、14打点を記録し、ドジャースのワールドシリーズ連覇の立役者となったのは紛れもない事実。議論が起きるほどの凄さを毎年のように更新してしまう。それが〝副作用〟を生むほどの規格外スター、大谷の宿命なのかもしれない。