王者が崖っぷちだ。ドジャースは29日(日本時間30日)に本拠地ロサンゼルスで行われたブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第5戦に1―6で惨敗。貧打とミスのオンパレードで対戦成績は2勝3敗となり、王手をかけられた。しかもここへきてデーブ・ロバーツ監督(53)の〝右腕〟が他球団の監督に就任するとの米報道が相次ぎ、鉄の結束を誇る世界一軍団が内部崩壊の危機にさらされている。

 無残な戦いぶりだった。先発したスネルは初回の先頭から2者連続アーチを被弾。2点差を追う7回はスネル、2番手・エンリケスと正捕手のスミスとの呼吸が合わず、1イニング3暴投のバッテリーミスを犯し、致命的な2点を献上した。

 いずれもWS史上初の不名誉記録となったが、2番を定位置としていたベッツを3番に配した打線も散発4安打、計15三振の空回り。頼みの大谷翔平投手(31)も4打数無安打、1三振と2試合連続で快音なしだった。打てない上に拙守で足を引っ張る展開に、ロバーツ監督も「余計な出塁を増やしてしまった」と厳しい表情だった。

 WS連覇を達成するためには、敵地トロントでの第6、7戦(31日=同11月1日、1日=同2日)に連勝するしかない。だが、不穏な情報も駆け巡っている。ロバーツ監督を2023年からベンチコーチとして支えるダニー・レーマン氏(40)の〝引き抜き〟が相次いで報じられているのだ。

 発端はWS前の21日(同22日)に「MLB公式サイト」が、ナ・リーグ東地区の4位に沈んだブレーブスの来季監督候補となっていると伝えたこと。さらに、この日の試合前には米紙「ワシントンポスト」が、今度は同地区の最下位だったナショナルズの次期監督候補に浮上していると報じたのだ。

 それによれば、今年7月から監督代行を務めたカイロ氏は「来季監督に就任しない」といい、後任は今季までツインズで指揮を執ったバルデッリ氏か、レーマン氏とされている。同紙は監督候補とされる2人にナショナルズ側との面談に臨んだかどうかを確認したが、両者ともコメントを控えたという。

 WSに進出できるのは2チームだけだが、すでに戦いを終えた他の28球団は来季に向けた体制づくりを進めていく期間でもある。現役時代のレーマン氏はメジャー経験こそないが、ゲームプランやコミュニケーション担当なども歴任し、現在は参謀の役割も果たしているが…。

ロバーツ監督をベンチコーチとして支えるダニー・レーマン氏(ロイター)
ロバーツ監督をベンチコーチとして支えるダニー・レーマン氏(ロイター)

 移籍情報に詳しい米サイト「トレード・ルーマーズ」は「レーマンはプレーオフのラウンド間やシリーズ中の休養日しか面接を受けられない」と難しい立場を説明し「レーマンはWSがすべて終わってから監督候補の可能性に目を向けるかもしれない。ナショナルズやブレーブス、他チームにも監督職の空きがあり、この待ち時間はチャンスを損なうものではないだろう」と伝えた。

 昨年、一塁コーチだったマッカロー氏は今季からマーリンズの監督に就任。WS最終盤で過熱する〝流出報道〟の中、ドジャースは最後まで和を保てるのか――。