〝ジャイアンツ愛〟を貫いた男が、大きな決断を下した。巨人・長野久義外野手(40)が今季限りで現役を引退することが13日に分かった。下克上を目指したチームは前日12日のDeNA戦(横浜)に敗れ、CSファーストステージで1勝もできずに敗退。仲間、そしてファンからも愛された背番号7の突然の知らせに、後輩たちも寂しさを隠し切れずにいる。
みんなの「チョーさん」が16シーズンに及んだプロ生活に終止符を打つことになった。
2度の指名拒否を経て、2009年のドラフト1位で社会人・Hondaから巨人に入団。ルーキーイヤーの10年には128試合に出場して打率2割8分8厘、19本塁打、52打点の活躍で新人王に輝いた。19年1月には広島から巨人にFA移籍した丸の人的補償で、広島に電撃移籍。持ち前の明るさで、カープの後輩選手やファンからも愛された。そして22年オフに無償トレードで巨人に復帰した後も、若手選手主体のチームで頼れる「兄貴分」として慕われ、精神的支柱として存在感を発揮していた。
今季は若手の台頭もあって17試合の出場にとどまり、打率1割3分6厘。CSファーストステージでは「代打の切り札」として12日の2戦目から出場選手登録されたものの、出番がないままチームは敗れ去った。その試合後には「個人的にもチームとしてもすごく悔しいシーズンでしたし、来年に向けてこの悔しさを忘れずに。やらなきゃいけないと思いました」と明かしていた。
グラウンド内外で若手の良き手本となる選手だった。伸び悩む後輩たちへのアドバイスはもちろん、望まれれば自身が愛用する野球道具などを惜しみなくプレゼント。球場を離れれば会食した後輩たちに大盤振る舞いでごちそうする気前の良さ、酒席でも紳士的に振る舞う姿は〝野球選手のかがみ〟として知られ、夜の街には多くの「チョーさん伝説」も残された。
来季の去就に注目され始めた夏ごろには、長野を慕う若手選手たちから「チョーさんには絶対にまだ引退してほしくない。教えてもらいたいことは山ほど残っているし、わがままを言わせてもらえばずっとそばにいてほしい」「長野さんにたくさんお世話になったのに、まだ活躍した姿を見せられていない。早く〝恩返し〟の活躍をしなくちゃいけない」などと来季も「共闘」を願う声が数多く聞かれていた。
後輩たちから惜しまれながらも、悩み抜いた末にプロ野球生活にピリオドを打つことを決めた長野。類いまれな成績はもちろん、グラウンド内外で残してきた〝チョーさん〟の思いは、チームの大きな財産となるはずだ。














