巨人の背番号7が〝主〟のもとへ――。広島から無償トレードで古巣復帰した長野久義外野手(37)が、15日に入団会見を行った。5年ぶりのカムバックに満面の笑みを浮かべたのが、同席した原辰徳監督(64)だ。かつてFA補強に伴う「人的補償」と「28人のプロテクト枠」の全廃を声高に訴えて球界内に大きな波紋を広げたが、制度への不満をぶちまけた一因が長野の電撃移籍だった。
「また新しい気持ちでルーキーのように頑張りたいと思います」。そう決意を語って背番号7のユニホームに袖を通した長野だったが〝チョーさん節〟は健在だった。
「監督が横にいたので、緊張しすぎてあまり覚えてないです」。原監督から「レギュラー奪取」と「若手への教育的立場」への期待をかけられたが「あまり見本にはならないと思うので…。中島さんなど先輩たちの後ろについて、若い子たちの間に入っていけたら」と相変わらずの調子だった。
そして、心底うれしそうだったのが原監督だ。会見で「年月はたちましたが、ジャイアンツに戻ってきて、なぜか背番号7があった。これも偶然ではなく、必然であったのかな」と運命的な再会を喜んだ。
かつて指揮官はFA制度そのものを改革すべきと訴えたこともあった。「人的補償なんて『敵』でしょ。おカネをたくさん払うのに、何のメリットもない。プロテクトも28人。ふざけてる。投手20、野手20なら話は分かる。なくす必要がある」。リスクを伴う人的補償が存在するため、各球団が積極的にFAに参戦せず、制度そのものが活性化しない。ならば、ルールそのものを変えるべきとの主張だった。
これには球界内からは「身勝手すぎる」「金持ち球団の言い分」などと反発の声も持ち上がった。
賛否はさておき、現役監督がルールに物申すのは極めて異例のこと。もちろん、原監督なりに球界発展を願ってのことだったが、プロテクト漏れした長野の流出が追い打ちをかけ、こう吐き捨てていた。
「(長野が外れた理由に)『因縁』なんて言葉を使われたんだよな。何が因縁だよ。そんなこと誰も思っていない」
球団関係者は「長野の年俸は2億円を超えていた。まさか獲られるわけがないと、タカをくくっていたところもあったと思う。2度のドラフト指名を蹴って巨人に入ってくれた長野を獲られたことは、誤算も誤算。監督も悔しくてたまらなかったはず」と代弁していた。
結果的に長い月日が流れ、広島側からの打診を受けて〝元サヤ〟に収まったが、会見で指揮官は「28人のプロテクトという中で、彼が当時29番目であったという事実。今だから言えるところですが、ルール上仕方ないと思いつつもやや痛んだ、少し悔しい思いをした」と一端を明かした。
「これからもひと花、ふた花咲かせてくれるだろう」と期待を寄せた原監督と、長野の共闘が再び始まる。












