パ・リーグ最下位に沈んだロッテにストーブリーグが到来した。昨季まで2年連続でAクラス入りを果たしたが、今季は56勝84敗3分けの大惨敗。ドジャース・佐々木朗希投手(23)の礎を築いた吉井理人監督(60)が辞任し、新たにサブロー一軍ヘッドコーチ(49)が指揮を執る。ここまで没落した原因は何か。実は開幕前から吉井監督の人事情報が漏えいしていただけでなく、シーズン中も本社サイドの現場介入があり、まるで戦う態勢が整っていなかったという。

 2005年以来となるリーグ優勝にはまったく手が届かなかった。シーズン序盤から投打ともに低迷し、4月29日から本格的な借金生活に突入。その後は一度も勝率5割を回復することなく、借金28で全日程を終えた。

 吉井監督は5日の今季最終戦(ZOZOマリン)でファンに「嫌な思いをさせて申し訳ありません」と涙ながらに謝罪。佐々木が入団した1年目は投手コーチとして体力強化を徹底させ、2023年からは監督として登板間隔に配慮するなど我慢強く育ててきた。昨オフのドジャース移籍にも背中を押したが、怪物右腕が抜けた穴も小さくはなかった。

 新監督には今年6月に二軍監督から一軍に配置転換となっていたサブローヘッドが就任する。ただ、複数の関係者の話を総合すると、サブロー氏の名前はかなり早い段階から挙がっていたという。最下位に低迷していたシーズン中どころではない。開幕前のオープン戦よりも前、何と2月の春季キャンプ中だった。

 球団の親会社であるロッテ本社サイドから漏れ出たとされる「来季監督はサブローで決まり」との情報は、あろうことかキャンプ中の現場レベルにまで到達。当初はウワサ程度だったとはいえ、吉井監督の耳にも入っていたという。

 キャンプは優勝に向けて選手個々が鍛錬を積み、チームとして結束を強めていく期間だ。開幕すらしていない時期に舞い込んだ〝今季限り〟の情報。真偽はさておき、やる気に満ちていた現場は冷や水をぶっかけられたも同然で、関係者からは「これから優勝を目指してという時期に…。仮に本当のことだとしても、あまりにも現場に配慮がない失礼な話」と憤りとともに吉井監督に同情する声すら上がっていた。

 そして、時間の経過とともに指揮官交代の信ぴょう性は高まっていった。別の関係者によると、開幕後に本社サイドから采配に関する現場介入があったからだという。

 その内容は育成出身のプロ5年目・山本大斗外野手(23)の4番起用、ドラフト1位ルーキー・西川史礁外野手(22)に関する一、二軍の昇降格のタイミングなど多岐にわたったという。それだけに「吉井監督は必ずしも自分が起用したい選手を起用できる状況や環境になかった」と打ち明けた。

 3年前の吉井政権発足時には松本球団本部長が後ろ盾となり、現場を常に後方支援してきた。しかし、本社から下された〝トップダウン指令〟には、さすがになす術がなかったようだ。

 5月終了時点で借金13。テコ入れ策として二軍からサブローヘッドが呼び寄せられたことも、チーム内では「来季への布石」ともっぱらだった。チームスポーツの野球で開幕前から指揮官交代の情報に踊らされて、まとまるわけもなかった。

来シーズンの指揮を執るサブローHC(左)
来シーズンの指揮を執るサブローHC(左)

 浮上のきっかけすらつかめないまま谷底深くまで沈んだロッテ。来季はサブロー新体制の下、パの覇権争いに加われるのか――。